強い相互作用
読み:つよい-そうごさよう
外語:strong interaction
基本相互作用
のうちの一つ。古くは「強い力」と呼んだ。
目次
概要
特徴
機能
相互作用の性質
相互作用の分離
核融合反応
概要
非常に強い「核力」の元になる相互作用であり、四つある既知の基本相互作用の中で最も強い相互作用である。
この力は、2番目に強い
電磁相互作用
の約137倍、3番目に強い
弱い相互作用
の約100万倍、最弱の
重力相互作用
の10
38
倍にもなる。
特徴
機能
クォーク
を結びつけ
ハドロン
を作る力が強い相互作用である。
例えば
原子核
は、
陽子
と
中性子
からなり、各々が3個のクォークからなっている。
この陽子や中性子は、互いの距離が近くなると斥力が働き、離れると引力が働くという性質があるが、原因が強い相互作用である。
強い相互作用は8種類の
グルーオン
が元となる。
相互作用の性質
陽子
は正の
電荷
を持つが、
中性子
は電荷を持たない。つまり、陽子と中性子の間に働く斥力は
電磁相互作用
が原因ではなく、この強い相互作用の働きである。
さらに強い相互作用は、距離の二乗に
比例
して強くなるという直感では考えにくい特徴を持っている。
陽子同士、陽子と中性子が結びつき
原子核
を作るのは、強い相互作用によって互いが結びつけられるためである。強い相互作用は、陽子や中性子間で
π中間子
が交換されることにより生じ伝播する。
性質は実験によって示されている。更に2007(平成19)年、筑波大大学院数理物質科学研究科の青木慎也教授らが
スーパーコンピューター
を使った計算で、その力の仕組みを素粒子レベルで統一的に説明することに成功した。
相互作用の分離
ビッグバン宇宙論
では、時刻10
−36
秒(
温度
10
15
GeV)に第二の相転移が起こり、色の力と
電磁相互作用
が分離した。
色の力は、時刻10
−4
秒(温度10
−1
GeV)の第四の相転移で、強い相互作用(核力)に変化した。
核融合反応
強い相互作用は強い力であるが、力の及ぶ範囲は狭く、陽子や中性子が極めて近距離(約10兆分の1cm以内)で接したときのみ働く。仮に別々の原子核同士であっても、この距離程度に接近すれば強い相互作用が働いて融合し、別の種類の原子核に変わる。これが
核融合
である。
例えば
水素
原子核同士が
核融合
を起こし
ヘリウム
を作るのは、この強い相互作用があってこその反応である。
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