大脳皮質
読み:だいのう-ひしつ
外語:cerebral cortex

 大脳の表面部分にある部位で、その名の通り「大脳の皮」。大脳白灰質ともいう。内部は神経繊維の束が配線されており、神経系の最高中枢である。
目次

概要
 ヒトの大脳皮質の神経細胞数は、一説では140億とされる。厚さは2mm〜5mm程度で、霊長類、とりわけヒトで著しく発達し、ヒトでは次の六層構造を持つ。
  1. 分子層
  2. 外顆粒細胞層
  3. 外錐体細胞層
  4. 内顆粒細胞層
  5. 内錐体細胞層(神経節細胞層)
  6. 多形細胞層

特徴

場所
 大脳皮質は、場所により機能が明確に分けられており、特定の機能は特定の場所だけで行なわれるという特徴がある。
 大脳の外側部分だけでも部位ごとに、次のように名前が付けられている。
 
 右脳と左脳の間にある谷間面(内側)では、海馬傍回・内側後頭側頭回・外側後頭側頭回などがあり、その他は大脳辺縁系である。

ブロードマン
 1909(明治42)年、大脳皮質の細胞構築学的研究をしたブロードマン(Brodmann)によりヒトの大脳皮質は52の分野に区分された。
 そして、各皮質野に番号を付けた地図が作成された。

機能
 大脳皮質の機能は、大きく次の三つである。

進化
 大脳皮質は発生学的に次のように分けられる。
 魚類から嗅覚に関わる大脳旧皮質が現われ、両生類で大脳古皮質が加わる。この大脳旧皮質と大脳古皮質をあわせて辺縁皮質という。
 そして扁桃体海馬帯状回などと共に大脳辺縁系を構成し、情動や欲求、本能そして自律系の機能を受け持っている。
 また、哺乳類になってから大脳新皮質が新たに出現し、本能に加えて知能をも獲得した。

新旧
 人間は大脳新皮質が大脳のほぼ全表面を覆っており、大脳旧皮質や大脳古皮質は大脳の深い所に押しやられ、例えば大脳半球の内側底面に僅かに残る程度となっている。
 但し、人間でも記憶の固定に関わる側頭葉の海馬や嗅覚路にある前梨状皮質は大脳古皮質である。

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