可聴周波数
読み:かちょうしゅうはすう
外語:audio frequency

 のうち、人間が認識できる周波数のこと。一般に20Hz〜20kHz程度までしか、聞こえても音としては認識できないとされている。
目次

概要
 通常の音楽CD(CD-DA)では、可聴周波数と言われる20Hz〜20kHzの範囲外の音は記録しない仕様となっている。
 音楽という側面で考えたとき、可聴周波数以上の高周波成分も重要な心理的影響を与えることが判明しており、「音の響き」、「音の柔らかさ」、「音の心地よさ」などの要素となっている。

特徴

CD
 CDは、可搬性のために、直径を12cmとした。
 ここに77分間の音楽を保存させるためには、保存可能な情報量は必然的に限られてくる。結果として、可聴周波数の範囲外を省くことで、情報量を削減し、もって利便性のよい高音質な媒体としてCDは世に誕生できた。
 当時のアナウンスでは、人間の聴覚特性上からこれで十分と言われていた。実際には当時から問題視する人達が数多くいたことは事実だが、何事にも妥協というものは必要だったという一件である。

対LPレコード
 CDの音質は、ディジタル化によるノイズ低減の効果はあったが、旧世代であるはずのアナログLPレコードと比べて、必ずしも良い音とは言い切れなかった。
 特に、音の響きや広がりが重要な要素を占めるクラシックなどではLPレコードに到底及ばない。

高音質化
 対策として、高級オーディオ向けの高性能なCDプレイヤーなどでは、記録されていない高周波成分を、計算で疑似的に再現し補填する機能などを備えているものがいくつかあった。
 ただし「無いものを作っている」以上は、それは原音とは異なることは自明である。
 この問題を反面教師とし、新世代CDであるSACDでは、可聴周波数以上の100kHzまでの音声を記録して、可能な限りアナログに近い音質を実現した。しかし、これは普及しなかった。

音楽圧縮技術
 高音質化とは逆に、CDよりさらに聞き取りにくい周波数や成分を削除することで、一般的な聴覚特性のレベルでは殆ど音質を低減させずに大幅に音声データを圧縮するディジタル圧縮音楽技術が様々に開発された。特許も数多い。
 これは、小型のディスク媒体(ミニディスクなど)への記録や、フラッシュメモリーへの記録、広帯域ネットワークでの音楽配信などを実現するために広く使われている。
 可搬性などを重視した結果、CDと同レベルの音質の実現よりも、一般ユーザーが聞いて不満を感じないレベルまで圧縮率を上げた仕様が一般に普及する場合が多い。

再検索