ペスト菌 |
辞書:科学用語の基礎知識 生物名・細菌/古細菌編 (BBNM) |
読み:ペストきん |
外語:Yersinia pestis |
品詞:名詞 |
ペストを引き起こすグラム陰性桿菌で、通性嫌気性菌。BSL-3(バイオセーフティーレベル3)に分類され、生物兵器にも使用される。
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情報 |
分類 |
発見 |
ペスト菌は1894(明治27)年5月、内務省からペスト病調査のため香港に派遣された北里柴三郎によって発見された。
宿主はネズミ、犬、猫などの動物で、ノミにより媒介される。肺ペストは飛沫感染する。
特徴 |
毒性 |
ヒトペストの80〜90%は、ペスト菌に感染したネズミなどに吸着したノミの刺咬によって感染する腺ペストである。
生物兵器への応用も当初は同様にネズミを媒体とする方法であったが、後にエアロゾル化しての空中散布が開発されると肺ペストが主流となった。
肺ペストは16日間の潜伏期間の後発病し、高熱や咳、血痰、呼吸困難などをおこす。腺ペストの場合は無治療時の致死率は約50%であるが、肺ペストの場合は致死性が極めて高く、無治療だとほぼ間違いなく死に至る。
抗生物質によって治療も出来るが、その場合でも依然として致死率は高い。
DNA変化 |
14世紀にはヨーロッパで大流行し、人口の3割を死滅させたという。
このペスト患者の墓から人骨を掘り出し、歯や骨を回収し菌を調査した結果、現在までの600年間、遺伝子的に大きく変化していないことが判明した。
現在では昔のようにペストが大流行を起こすことは無いが、DNAが変化していないということで、これは現代医療や人類の感染症への抵抗力などが奏功しているためと判明した。
ペストの場合、インフルエンザウイルスのように共存する複数の系統がないことから、直線的な進化しか出来なかったことが影響したようである。
リンク |
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