ダイアモンド |
辞書:科学用語の基礎知識 化学物質名・鉱物編 (NSUBNM) |
読み:ダイアモンド |
外語:diamond |
品詞:名詞 |
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概要 |
炭素(C)がσ結合により連なった結晶である。屈折率が2.439と高く、カットの形状によっては素晴らしい輝きを放つ。
結晶系は等軸晶系。融点3500℃程度、沸点5000℃程度。CAS番号は7782-40-3。
特徴 |
名前はギリシャ語のAdamas(侵せない)を語源とする。
モース硬度10と天然の物質では最も硬く、薬品にも侵されにくい。その硬さからレコードプレイヤー用の針の材料にも使われていた。
但し、ダイアモンドはダイアモンドによってカットすることができる。
また高温では化学反応することもあり、また、幾ら硬いとはいえ所詮は炭素、加熱すれば燃えてしまう。
同じ炭素でも同素体の黒鉛とは違い電気電導性がなく不導体である。
宝石 |
価値基準 |
宝石としてのダイアモンドは、4つの基準「4C」で価値が決まる。
ダイアモンドは実は鉱物としての資産価値はなく、売値はカッティングやデザイン代がほとんどを占めている。
かつては、全ての宝石用ダイアモンドはデビアス社が流通を独占管理しており、価格はデビアス社が決めていた。
デビアス社 |
デビアス社の独占は既に終わっているが、今も多くのダイアモンドはデビアス社が買い付け、ここから世界に販売されており、価格も維持されている。価格は人為的に制御されたもので、高止まりしている。
ダイアモンドの鉱山は少なくないが、人為的な統制をやめ、これらをフル操業すれば、今の倍以上の供給は簡単にでき、当然ながら価格は暴落する。ただの石に過ぎないダイアモンドに対する「あこがれ」を維持するためには、価格は高くなければならないのである。このイメージ戦略のために、デビアス社は様々な戦略を練ってきた。
一時はイスラエルのダイアモンド産業と争うこともあったが、供給過多となり価格が暴落してしまったため、デビアス社は金融界を通じイスラエルに対して可能な限りの圧力を加え、イスラエルは最終的にデビアスの猛攻に屈した。以降、原石の買い付けはデビアス社、研磨加工はイスラエル、という役割分断で丸く収まるようになったとされる。
価格統制 |
デビアス社が独占的に価格統制をするためには、採掘されたダイアモンド原石を、デビアス社が全て買い上げなければならない。
しかし、これは言うほど簡単なことでは無い。もし生産が過剰になった場合、デビアス社は余分に原石を買い上げる必要があると言うことで、その分デビアス社の経営を圧迫する。最終的にはダイアモンドの価格上昇に繋がるが、高くなりすぎると売れなくなるため、採掘は多すぎても少なすぎてもいけないのである。
デビアス社は南アフリカ共和国に本社を置く企業で、南アフリカの鉱山を採掘している。世界には他にもダイアモンドの鉱山があり、南アに並ぶ産出国にロシアがある。
ロシアも、デビアス社とは別に独自にダイアモンドの販売をしており、この頃にデビアスの独占は終了したが、しかしロシアも抜け目が無く、デビアス社を通じて販売することで外貨を稼ぐということもしていた。
デビアスの主導権は年々落ちてはいるが、各国とも、決してデビアス社を脅かすようなことはせず、この「システム」を有効活用することで、ダイアモンドのブランド価値と供給を維持し利益を得ているということになる。
人工ダイアモンド |
現在、ダイアモンドを人工的に作ることが可能となっている。
宝飾品並、無色透明で大型の人工ダイアモンドの製造も可能になっている。もちろん価格統制されている天然ものより安価に作ることが可能だが、人工的に宝飾品用を量産するということは行なわれていない。そもそも、ダイアモンドに鉱物としての資産価値がないのは、上述した通りだからである。
ダイアモンドよりも硬いものも作られた。フラーレンを材料にして人工的に作られたハイパーダイアモンドと呼ばれる物質は、摩擦抵抗が一般のダイヤモンドの3倍あり、一般のダイアモンドを傷つけることができる。つまり、ハイパーダイアモンドはダイアモンドより硬いということができる。
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