ウラン238
読み:ウラン-にひゃくさんじゅうはち
外語:238 U
ウラン
の
同位体
の一つ。
目次
情報
概要
特徴
核燃料化
中性子捕獲
生体への影響
情報
記号:
238
U
原子番号
: 92
質量数
: 238 (
陽子
92、
中性子
146)
天然存在比: 99.2742%
半減期
: 44億6800万年
比放射能
: 1.24×10
4
(1兆2400Bq/g)
比放射能の逆数: 8.06×10
−5
崩壊
の種類:崩壊後生成物
α崩壊
→
234
Th
主な由来
242
Pu (α崩壊) 半減期37.33万年
概要
天然ウランのほぼ全量、99.2742%がウラン238である。
半減期
は44億6800万年とされる。
核燃料
として使われるのは
ウラン235
で、天然ウランを濃縮することでウラン235濃度を高めたものが
濃縮ウラン
となる。したがって、その残滓である
劣化ウラン
は殆どがウラン238ということになる。
特徴
核燃料化
ウラン238が核燃料や核兵器として全く役に立たないかというと、そうでもない。
原子炉
では、次の順序にて、ウラン238から、核燃料になる
239
Pu(
プルトニウム239
)を作ることが出来る。
238
U(ウラン238) + n(
中性子捕獲
) →
239
U(ウラン239)
239
U → β
−
崩壊(半減期23.45分) →
239
Np(ネプツニウム239)
239
Np → β
−
崩壊(半減期2.3565日) →
239
Pu(プルトニウム239)
中性子捕獲
ウラン238は中性子捕獲率が高く、ウラン239へと変化しやすい。
これは、核分裂反応においては
減速材
として機能することを意味する。
したがって、兵器級の高濃縮ウランにおいては、ウラン238濃度を減らす努力がなされる。
軽水炉
においてはウラン238の濃度の高い低濃縮ウランが使われるが、原子炉内で
プルトニウム
に変化し燃えるため、特に支障は無い。さらに、
高速増殖炉
は意図的にウラン238からプルトニウムを生成する能力を高めたものである。
生体への影響
科学技術庁告示第五号 平成十二年科学技術庁告示第五号(放射線を放出する同位元素の数量等)
における、ウラン238の実効線量係数(ミリシーベルト/ベクレル)は、次のとおりである。
吸入摂取した場合 (六フッ化ウラン、フッ化ウラニル、硝酸ウラニル等の六価の
化合物
) 5.8×10
−4
吸入摂取した場合 (三酸化ウラン、四フッ化ウラン、四塩化ウラン等の難溶性の化合物) 1.6×10
−3
吸入摂取した場合 (二酸化ウラン、八酸化三ウラン等の不溶性の化合物物) 5.7×10
−6
経口摂取した場合 (四価のウラン化合物以外の化合物) 4.4×10
−5
経口摂取した場合 (二酸化ウラン、八酸化三ウラン、四フッ化ウラン等の四価の化合物) 7.6×10
−6
つまり、四価以外の化合物10,000ベクレルを経口摂取した時の実効線量は0.44ミリシーベルト(440マイクロシーベルト)である。
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