インフルエンザウイルス
読み:インフルエンザ-ウイルス
外語:influenza virus
インフルエンザ
感染症を引き起こす
ウイルス
。BSL-2(
バイオセーフティーレベル2
)に分類される。
目次
情報
分類
属
特徴
分類
感染性のインフルエンザ
命名法
予防接種と免疫
増殖
情報
現在のウイルス学では、次のように分類される。
分類
綱: 第5網(1本鎖RNA -鎖) Group V
域: リボビリア Riboviria
門: ネガルナウイルス門 Negarnaviricota
亜門: ポリプロウイルス亜門 Polyploviricotina
綱: インストウイルス綱 Insthoviricetes
目: アーティキュラウイルス目 Articulavirales
科: オルソミクソウイルス科 Orthomyxoviridae
属
A型インフルエンザウイルス
(ヒト、哺乳類、鳥)
B型インフルエンザウイルス (ヒト、アザラシ)
C型インフルエンザウイルス (ヒト、豚、犬)
D型インフルエンザウイルス (牛、豚)
特徴
分類
インフルエンザウイルスは、核蛋白複合体の抗原性の違いによって、A型/B型/C型/D型の4属に分類されている。うちヒトに感染するのはA型/B型/C型の3属で、特に流行しているのはA型とB型である。
A型ウイルスの粒子表面には、赤血球凝集素(HA)とノイラミニダーゼ(NA)という糖蛋白がある。それぞれ複数の亜型が確認されており、現時点では、HAには16の亜型が、NAには9の亜型が知られる。
感染性のインフルエンザ
一般にインフルエンザウイルスと呼ぶ場合は、特に流行しているA型とB型のみを指し、中でもヒトに感染するものを言うことが多い。
インフルエンザ・ワクチン接種である程度の予防は可能だが、ワクチンはA型とB型を対象としており、C型や、ヒトに感染しないD型などは対象としていない。
ヒト以外のインフルエンザの場合は、分離された宿主動物の名前を付けて呼ぶが、ヒトの場合は略される。
命名法
ウイルスは、様々な「変異株」がある。年や地域により
遺伝子
に変異があるため、それらを正確に区別する必要がある。
そこで、宿主から分離されたインフルエンザウイルスは、次の情報を含めて命名される事となった。
型 (
A型
、B型、C型)
宿主 (ヒトの場合は省略する)
分離場所
分離番号
分離年 (西暦、2桁または4桁)
亜型 (H1N1など)
例えば「A/whooper swan/Akita/1/2008(H5N1)」の場合は、大白鳥(whooper swan)から分離された、秋田(Akita)で2008(平成20)年で1番目の
A/H5N1亜型インフルエンザウイルス
、ということになる。
予防接種と免疫
インフルエンザの感染が防げるか否かは、体にウイルスの突起に対応する
抗体
を持っているか否かに掛かっている。
既にインフルエンザの
免疫
を持っていたとしても、それとは異なるスパイク蛋白を持つウイルスには効果がない。
増殖
インフルエンザウイルスは、表面のある「ヘマグルチニン」により、宿主細胞膜上にあるガングリオシド(シアル酸を持つ糖鎖)やシアル酸含有
糖蛋白質
受容体へ結合し、
細胞
に感染する。
シアル酸を持つ糖鎖は、ウイルスが宿主細胞に結合する上で必要なものだが、そのままでは遊離できない。そこで、シアル酸を切断する酵素「ノイラミニダーゼ」によりシアル酸を切り離すことで、インフルエンザウイルスは細胞から遊離する。
タミフル
などの抗インフルエンザウイルス剤(ノイラミニダーゼ阻害剤)は、このうちノイラミニダーゼの機能を阻害することでウイルスの増殖を抑える薬品である。
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