こうのとり6号機
読み:こうのとり-ろくごうき
外語:HTV6

 こうのとり(HTV)の6号機。JAXAの資料では『「こうのとり」6号機』と書かれている。
目次

情報

基本情報

沿革

特徴

延期
 元々は2015(平成27)年頃の打ち上げ計画だったが、2016(平成28)年10月1日打ち上げで一旦決定した。
 しかしHTV6の射場整備作業実施中、配管の気密検査で微量の漏洩が確認された。必要な修理のためにHTV6モジュールの結合を解除する必要があり、もって打ち上げ延期の旨が2016(平成28)年8月10日に発表された。

今回の積荷の目玉

導電性テザー

構造
 宇宙に漂う大型のスペースデブリ(宇宙ゴミ)を取り除くための技術実証である。
 長さ700m、重さ約45kgの、アルミニウムとステンレスを素材にして編んだ導電性のワイヤーを3本に束ねた構造となる。「こうのとり」に取り付けておき、物資を国際宇宙ステーション(ISS)に届けた帰還時に、切り離して宇宙に放出する。
 テザーが地球の磁場を横切ると誘導起電力が発生し、テザーの両端に電位差が生じる。一端からは電子が放出され、もう一端からはプラズマ電子が集められ、テザーには最大で10mAの電流が流れるようになっている。
 この時電流と磁場の干渉によって推力が発生(推力=テザー電流×地球磁場×テザー長)し、この推力を用いてデブリを軌道から除去する。

デブリの除去
 スペースデブリは自由運動をしており、軌道上での捕獲は容易ではない。
 実際に軌道から除去し、大気圏内に投入させる方法としてJAXAは、次の方法を考えている。
  1. デブリ除去機でデブリに接近
  2. 近傍作業
  3. 導電性テザーの推力で軌道上から除去
 今回はこのうち3番目、導電性テザー技術について、検証を実施する。

リチウムイオン電池の輸送
 ISS用の電源であり、命綱である、交換用の新型リチウムイオン電池を輸送した。
 今回は、国産、「GSユアサ」製が採用されている。
 この時点で、ISS向けとして最大の輸送力を持っているのは「こうのとり」であり、ISS用の大型リチウムイオン電池を輸送できるのは「こうのとり」のみである。
 この輸送は「こうのとり」にしか出来ないことであり、かつ今回はこれを6個輸送した。

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