μ10 |
辞書:科学用語の基礎知識 天文学人工衛星編 (USATE) |
読み:ミュー-テン |
外語:μ10 |
品詞:固有名詞 |
宇宙科学研究所(ISAS)、後のJAXAの宇宙科学研究本部(ISAS)の電気推進工学部門(EP Lab)が開発したイオンエンジン。
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概要 |
小惑星イトカワを目指す小惑星探査機はやぶさ(MUSES-C)のメインエンジンとして搭載された。
はやぶさには4機が搭載され、当初の想定を大幅に超える実績を上げた。
仕様 |
特徴 |
目的 |
このエンジンは、低推力・高比推力を特徴とする長期間運用用のエンジンである。
プラズマ中のイオンを放出することにより推力とするエンジンであり、従来型のエンジンよりも大きな排気速度が得られる。
つまり燃費が良いため推進剤を少なく済ませられ、その分他の観測装置を搭載することが可能となる。
実機 |
μ10の推進剤はキセノン(Xe)であり、探査機はやぶさには24kgが搭載されている。
推力は3基で20mN以上。
エンジンの排気速度の指標である比推力は1700〜3000秒の可変で、これは従来型エンジンの数倍の性能がある。
エンジン乾燥重量は36kg、積算作動時間は16,000時間以上である。
方式 |
推進剤の電離方式によって幾種類かのイオンエンジンがあるが、μ10は、マイクロ波放電式イオンエンジンである。
これはCバンドマイクロ波による電界と永久磁石による電界の相互作用によって電子サイクロトロン共鳴(ECR)放電を起こし、推進剤をイオン化する。この方式では放電に電極を使わないため、長寿命を実現できた。
後継 |
外惑星探査機用としてより大型のμ20や、比推力10,000秒を目標とするμ10HIspの研究開発が行なわれている。
リンク |
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