磁気券
読み:じきけん
紙の
切符
のうち、裏面に磁性体が塗布されているもの。現在、自動券売機で購入し、
自動改札機
を通ることができる切符で、一般的なものである。
目次
概要
特徴
規格
制限
電子情報
NRZ-1方式
F2F方式
概要
基本的には、切符に磁気データを埋め込むものである。そして、それを改札機に挿入して読み取る方法が主流である。
太古、磁気切符が実用化される以前は切符に穴を空け、これを光学的に読み取る方法を採用していた。これは大昔の
高速道路通行券
なども同様で、ありふれた方法であったが、記憶容量等に限度があった。そこで、磁気切符へと移行することになったのである。
特徴
規格
磁気券は、複数の鉄道会社で用いられるため、共通の仕様が定められている。
使われる磁気データのフォーマットは、社団法人日本鉄道技術協会(JREA)の特定部会である「
日本鉄道サイバネティクス協議会
」が管理しており、基本的には全国共通のデータが使われている。
現在、磁気フォーマット(記録方式)は、次の二種類が使われている。
NRZ-1方式
F2F方式(FM)
現在、都心部を中心として
ICカード乗車券
が普及しており、このような区間では紙の切符の需要は減ってはいるが、いまも使われている。
磁気券は
自動改札機
で使うためのものだが、この時、コンピューターで自動的に料金計算をするために、
駅
を一意に特定する必要があった。しかも、
改札口
は複数の鉄道会社の切符を処理することがあり、このため一つの鉄道会社だけではなく、多くの鉄道会社、路線に対応する必要があった。
そこで、多くの鉄道会社で共通して利用できるよう、鉄道会社で構成される
日本鉄道サイバネティクス協議会
(略称サイバネ協会)が規定した、いわゆるサイバネ規格が使われている。
制限
紙の切符は裏に磁気が塗布されており、ここに情報が保存される。この形式の切符を「磁気券」と呼ぶのはJRの用語であり、他社では他の呼び方をしている可能性がある。
記録可能な情報量に限界があるため、紙の切符は様々な制限がある。
全国は4つに分かれ、その範囲を超えて発券できない
0 関東地区私鉄、JR
1 中部地区私鉄
2 関西地区私鉄
3 その他の地域私鉄
乗り継ぎで発券可能なのは、2社間まで (3社間以上不可) たとえば、東武東上線〜副都心線〜東急東横線は直通するが、3社にまたがるこの全区間分の切符は購入できない。
これらの問題は、
ICカード乗車券
で改善されている。
電子情報
NRZ-1方式
切符には磁気で様々な情報が書き込まれているが、特に重要な情報としては、次のものがある。
NRZ-1方式では、次のような情報が書き込める。
切符の有効日月
乗車駅/発駅 (線区コードと駅順コード)
乗車可能な区間数
券種 (小児かどうか)
F2F方式
F2Fでは、次のような情報が書き込める。データは3トラック(3行)あるので、トラックごとの有効情報を記載する。
トラックA
有効終了月日
発駅 (線区コードと駅順コード)
発駅の区数
他社連絡駅 (線区コードと駅順コード)
他社連絡駅の区数
券種
トラックB
有効開始月日/乗車月日
乗車駅 (線区コードと駅順コード)
乗車時刻 (改札機を通った時刻)
共通予備
入出場コード
トラックC
経由1 (線区コードと駅順コード)
経由2 (線区コードと駅順コード)
経由3 (線区コードと駅順コード)
経由4 (線区コードと駅順コード)
券種
線区コードと駅順コードは各8ビット合計16ビットある。
券種は小児かどうか等のフラグが格納されると見られる。
区数は、乗車可能な区間数を表わす思われる。記録されるのは支払った金額ではなく、そこから計算される運賃の区数ということである。
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