東北縦貫線
読み:とうほくじゅうかん-せん

 上野東京ラインの計画名。
目次

概要
 東北本線(宇都宮線)、高崎線常磐線東海道本線(東海道線)を結ぶための新線建設の計画名である。運輸政策審議会答申第18号にある路線で、A1路線(目標年次までに開業)とされていたものである。
 東京駅秋葉原駅の約1.3kmに新線を設け、既存線含め、上野駅と東京駅間約3.6kmを結ぶ路線であり、2015(平成27)年3月14日に開業した。
 このうち神田駅周辺では東北新幹線の高架の更に上に建設される二重高架構造になる。

特徴

駅など
 東京駅と上野駅の間に途中駅はない。従って山手線京浜東北線が停車する、神田駅、秋葉原駅、御徒町駅は通過となる。つまり、秋葉原駅に停車する京浜東北線の快速運転よりも更に快速となる。
 また、この間は全区間が東北本線となる。

由来
 大昔、東京駅〜上野駅の間にも線路が存在した。しかし東北新幹線建設のためにこの土地を使ったため、この区間は途絶した。新幹線は通ったが在来線は不便になった。
 結果として、東北本線の秋葉原駅〜上野駅区間は、山手線・京浜東北線と、留置線となった。留置線は、上野駅で常磐線・高崎線・東北線(宇都宮線)に接続されたままだが、使い道がないため旅客用には使われていなかった。
 そこで、東京駅〜秋葉原駅に改めて新線を建設し、常磐線・高崎線・東北線(宇都宮線)と東海道線を直結することで相互の乗り入れを実現しようとするのが、この東北縦貫線計画である。

目的
 現在、東京駅〜上野駅を結ぶ運転系統は京浜東北線と山手線しかなく、混雑が著しい。
 更にもう一本路線を作ることで、東京駅〜上野駅の混雑緩和が期待される。
 また、上野側から、東京駅(新幹線)や品川駅(将来のリニア中央新幹線)へのアクセスが良くなることが期待される。

建設

計画
 周辺プロ市民の妨害が激しく、建設は遅延が続いた。
 当初2009(平成21)年の予定は叶わず2011(平成23)年頃の予定に遅れ、そして2007(平成19)年8月1日、プロ市民らは建設妨害を目的として建設中止を要求する訴訟を東京地裁に起こした。
 また東日本大震災の影響で更に遅延、建設に難航したが2015(平成27)年3月14日、ようやく開業することができた。

品川の北
 品川駅の北に広がる車両基地の大規模な再編が実施された。
 東京駅周辺では従来、品川駅と上野駅の近傍に車両基地(田町車両センター・尾久車両センター)が存在した。これは線路が分断していたためである。東北縦貫線が完成し分断が解消されると、車両基地は上野駅側に統合することが可能となり、もって品川駅側の車両基地は不要になる。
 そこで、車両基地の東側(国道15号側)の大部分を再開発し、京浜急行の泉岳寺駅付近(田町駅と品川駅の間)に新駅が建設される計画である。
 また、リニア中央新幹線は品川駅始発となることから、今後はこの品川駅が東京の中心的な駅となることが予想される。

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