大都市近郊区間
読み:だいとしきんこうくかん

 東京、大阪、福岡、新潟近辺のJR線に設定された特別な区間のこと。旅客営業規則第157条などで定められている。
目次

概要
 大都市近郊区間内の発着となる乗車券は、途中の乗車経路に関わらず、最短経路で運賃を計算することができる。また、101km以上の乗車券であっても、有効期間は1日で、途中下車はできない。
 ただし、発駅と着駅が大都市近郊区間の駅であっても、途中で大都市近郊区間を出る経路の場合や、米原〜新大阪、西明石〜相生以外の新幹線を経由する場合、この規則は適用されない。
 これらの区間では運賃計算が通常より単純なので、イオカードJスルーカードワイワイカードといったストアードフェアカードが順次導入され、それらもやがてICカードになり現在に至っている。

特徴

最短経路
 「最短経路で運賃を計算する」という規則を逆手に取り、初乗り切符で可能な限り大回り乗車する旅行が一時期流行した。
 また、東京近郊区間は範囲が非常に広いため、他の制度も関わってくる場合には複雑な取扱いを伴う場合もある。

東京近郊区間の複雑な取扱い
 例えば高崎駅から熱海駅まで行く際は、普通に考えられる乗車経路は、高崎線→東京駅→東海道線というコースで、人によっては一部で上越新幹線や東海道新幹線を使うことも考えられる。
 上越新幹線や東海道新幹線は近郊区間に含まれないので、新幹線に乗る場合は乗車経路通りの3,570円(209.6km)の切符を買う必要がある。
 しかし在来線利用の場合は近郊区間相互発着となる。すると運賃計算のもととなる最短経路は、八高、(八王子)横浜線、相模、東海道というルートであり、運賃は3,260円(184.5km)となる。従って在来線経由の切符で上越新幹線や東海道新幹線に乗った場合は、新在同一視は適用されず、経路変更の精算が必要になる。
 また、この在来線経由の切符で小田原駅〜熱海駅間だけ新幹線に乗った場合、小田原駅〜熱海駅間は新在同一視するにも関わらず、経路変更が必要となる。
 なぜなら、東海道新幹線は近郊区間ではないため、新幹線に乗った時点で近郊区間相互発着ではなくなる。すると大回り乗車の権利が失われるので、すでに乗った区間も含めて経路変更処理をしなければならなくなるからである。

具体的な区間

東京近郊区間
 以下の記述は2009(平成21)年3月14日現在のものである。国鉄時代よりJR東日本になっても範囲は広がり続けており、2014(平成26)年4月には中央本線松本駅にまで東京近郊区間が広がっている(以下には未記載)。
 新幹線は一切含まれない。
 ※印が付いているところではSuicaの利用が不可能。

新潟近郊区間
 以下の記述は2009(平成21)年3月14日現在のものである。
 新幹線は一切含まれない。
 全区間でSuicaを使用可能

大阪近郊区間
 以下の記述は2009(平成21)年3月14日現在のものである。
 新幹線は米原駅〜新大阪駅・西明石駅〜相生駅で利用可能、ただしICOCAでは利用不可。
 ※印のついた路線はICOCA利用不可。また、▼印のついた路線は()内区間で利用不可

福岡近郊区間
 以下の記述は2009(平成21)年3月14日現在のものである。
 新幹線は一切含まれない
 ※印のついた路線はSUGOCA利用不可。また、▼印のついた路線は()内区間で利用不可

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