乗車率 |
辞書:鉄道用語の基礎知識 鉄道編 (RAIL) |
読み:じょうしゃりつ |
品詞:名詞 |
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特急列車の場合 |
特急車両のような着席前提の車両では、「乗車率100%」とは座席が全て埋まっている状態のことを指す。
全席指定席の列車の場合は、原則として乗車率が100%を超えることはない。但し、立席特急券が発売された場合などは例外である。
自由席が設定されている列車に関しては、自由席車両に乗れるだけ人が乗車してくる可能性がある。乗車率が150%を超えると通路にもデッキにも人が溢れかえり、トイレに行くのもままならない。繁忙期などは大変な旅になってしまうことだろう。
なお、自由席車両が混雑しているからといって指定席車両のほうに逃げるのはご法度である。
通勤列車の場合 |
通勤車両での「乗車率100%」は、座席が全て埋まり、つり革がだいたい使用され、ドアの前に人が数人立っている状態である。
20m車体の場合、この状態で1両あたり約140人が乗車していることになる。
乗車率の目安 |
20m通勤形車両での乗車率の目安は、次の通り(日本民営鉄道協会の解説を元に記述)。
乗車率 | 乗車人員 | 車内の状況 |
---|---|---|
0% | 0人 | 人がまったく乗っていない。 |
50% | 70人 | ほぼすべての座席が利用されている。 |
100% | 140人 | 定員乗車。座席に着くか、吊革に捕まるか、ドア付近の柱に捕まることができ、ゆったりと乗車できる。 |
150% | 210人 | 肩が触れ合う程度で、新聞が楽に読める。 |
180% | 250人 | 体は触れ合うが、新聞は読める。 |
200% | 280人 | 体が触れ合い相当圧迫感があるが、週刊誌程度なら何とか読める。 |
250% | 350人 | 身動きは取れない。揺れに対して踏ん張れない。体が浮き上がる。人の圧力でドアが開かなくなる。 |
300% | 420人 | 物理的限界に近く身体に危険がある。 |
320% | 450人 | 物理的限界であると考えられる。 |
乗車率200%超は大変な苦しさがある。300%超などは想像も付かないだろう。
車両による違い |
たとえば、都営大江戸線の車両は16.5m車体という特殊なものであり、車幅も小さい。そのため、乗車定員に対して詰め込みが効かない。
数字だけを見て、大江戸線の乗車率は中井→東中野155%で朝ラッシュも大したことがないと判断することは危険である。
現に、大江戸線の中井駅には「この付近は混雑のため乗り切れない場合がございます」という看板が設置されてしまった。
計算方法 |
乗車率の計算方法 |
一応の計算式としては「輸送人員÷輸送力」と決まっている。しかし、実際に輸送人員を1人単位で計測することは不可能なため、主に混み具合から、目安を元にして車掌が判断する場合が多い。
応荷重装置が存在する車両においては、乗っている人の重みを計測して乗車率を算出していることもある。
実は平均値 |
なお、この乗車率の算出方法は最混雑列車の値ではない。
1時間あたりの平均値(7:50〜8:50)が採用されるため、実際に朝のラッシュ時に電車を利用している人の印象と、かなり違った数値が算出されることになる。
雑学 |
日本での最混雑区間 |
2006(平成18)年現在、朝ラッシュ時の日本で一番の乗車率はJR山手線およびJR京浜東北線上野→御徒町の約214%である。
私鉄では東京メトロ東西線の木場→門前仲町の約198%が最混雑区間となる。
乗車率の限界 |
通勤五方面作戦が行なわれる前は乗車率300%超も存在し、窓ガラスが割れたり、死人が出るといった事件も発生したらしい。
テレビ番組所さんの目がテンによる実験によれば、乗車率321%まで可能だったという結果が得られている。
だが、この状態の列車が実際に走るとなれば中の人は確実にただではすまないことは明らかであろう。
改善目標 |
2000(平成12)年8月に出された運輸政策審議会答申第19号では、全国すべての区間のそれぞれの混雑率を150%以内(ただし東京圏は、当面180%以内)とすることをめざす、とされている。
リンク |
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