ロングレール |
辞書:鉄道用語の基礎知識 鉄道技術編 (RTECH) |
読み:ロングレール |
外語:long rail |
品詞:名詞 |
溶接することで特別に長くしたレールのこと。一般には200m以上のものを指す。
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概要 |
レールは温度によって伸縮する。そのため線路敷設技術が未熟であったころは、あまりにも長いレールはそれにより破断、座屈が起きてしまうと考えられていた。
しかし、レールに40Nレール以上のものを利用し、かつPCまくらぎやスラブ軌道を利用するとレールの温度による伸縮と比べて軌道の強度の方がより高くなる。このことが判明してからは多くの幹線でレールがロングレール化され、乗り心地の向上や騒音の低減、保守の省力化を実現した。
特徴 |
原理 |
道床が十分な強度を持っている場合、長いレールを敷設した場合に中間部分はレールが伸び縮みする力と地面との摩擦力が相殺されて動かなくなる。そのためレールの温度変化に対する対処はレールの両端の約100メートルのみ行なえばよい。
レールの伸縮の対応のため、レールの継ぎ目は一般に伸縮継ぎ目が使われる。
近年ではレールの継ぎ目に接着絶縁レールを利用することで通常のロングレールをさらに長い疑似的なロングレールにすることも多い。
敷設方法 |
通常、工場で200メートル程度のレールを製作しそれを現場で溶接する。ロングレールは1km〜2kmの長さにされることが多いが、これは信号電流がレールを流れる関係で、この程度の距離で絶縁することが多いためである。
溶接はガス溶接やフラッシュバット溶接、テルミット溶接(ゴールドサミット溶接)、エンクローズアーク溶接などが使われる。
制限事項 |
ロングレールは性質が特殊なので敷設に当たってはいくつかの制限がある。
スーパーロングレール |
明確な定義はないが50kmを超えるロングレールを一般にスーパーロングレールと呼ぶ。
世界最長のロングレール |
青函トンネル内で使われている長さ52.6kmのものは世界一の長さのロングレールである。青函トンネル内は年間を通じて温度や湿度の変化がほとんど無いこと、また長大トンネルでメンテナンスコストの低減を目指したことからロングレールが採用された。
レールの絶縁がされていないため、保安装置はスーパーロングレールに対応したATC-Lが利用されていた。北海道新幹線の建設により、保安装置も幹線用のDS-ATCへと変更されることになった。
東北新幹線のロングレール |
接着絶縁レールを利用した疑似的なロングレールを含むのであれば、世界最長は東北新幹線いわて沼宮内〜八戸間にある約60.4kmのものになる(2009(平成21)年現在)。
これは東北新幹線の延伸に伴ってより長くなる予定である。
リンク |
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