走ルンです
読み:はしるんです

 JR東日本の最近の車両の蔑称。"ツーシート工法で作られた車両" という定義もあり、この場合はJR東日本の車両に限らない。
 大量生産で安く製造できるため、最近は新しく車両を作る際は各社ともに"走ルンです構造" を取ることが少なくないが、見た目が安っぽく見えることが最大の欠点であり、この点に対して批判が絶えない。このため最近では、いかに安っぽく見せないかが最大の課題となっている。
 209系電車を作ったときに、"重量半分、コスト半分、寿命半分" というキャッチフレーズをうっかり出してしまい、性能が悪いから10年程度で廃車するのではという憶測も流れ、使い捨てカメラの商品名にあやかり命名された。その後、701系電車やE127系電車など、209系電車と同様の造りの電車が地方にも登場し、これらの悪口を言われるときには必ず "走ルンですだから…" と言われる始末となってしまった。
 しかし209系電車が本当に使い捨てで性能が悪いのかというと、そんなことはない。主に半導体部品が10〜20年で劣化し、その頃には部品が製造終了しているため、代替が利かなくなることを率直に表わしただけである。性能的にも中高速域の加速力は、他の私鉄車両以上のパワーがあり、現在のところは申し分ないものである。
 とはいえ、車内が暗い、シートが硬い、内装がケチ、どこもかしこもロングシート…といった声は後を絶たず、1999(平成11)年には青森県で701系電車が高波に倒され、2両が廃車になるなどしたため、これらの車両を嫌う人が多いことも事実である。このような批判を受け、ようやく東北地方の一部の路線を走る車両を対象に、クロスシート化工事が始まった。
 一方、JR西日本は "体質改善工事" と称する修繕を行なった上で、古い車両を末永く使う方向に向いており、大量生産で使い捨ての新しい電車を造るのと、どちらがよいのかは賛否両論である。

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