ベクトル制御 |
辞書:鉄道用語の基礎知識 鉄道技術編 (RTECH) |
読み:ベクトルせいぎょ |
外語:vector control system |
品詞:名詞 |
VVVFインバーターの制御方式の一。
検出したモーター電流に特殊な演算をして、電流を磁束成分とトルク成分に分離する方法。モーター出力を変える場合は、トルク電流のみを制御することによって、空転や架線電圧急変時などに制御応答性が良くなるという利点がある。
マイコン制御のプログラムの内容が変わっているだけなので、装置の外観やインバーター音が変わるわけではなく、普通に乗っている分には、その車両がベクトル制御か否かは全く区別がつかない。
ベクトル制御自体は、1980年代から一般の産業用インバーターに採用されているありふれた技術であり、1台のインバーターで1台のモーターを制御する場合には理論的に精密な制御が可能である。しかし、一般の電車で広く普及している、4台のモーターを並列に制御するVVVFの場合、各モーターの個々の特性や車輪径の微妙な差などを無視して、4台あるモーターをすべて同じものとみなして制御せざるを得ない。したがって、そのような車両では、ベクトル制御の効果が薄れてしまう場合がある。
しかし、ドイツのシーメンス社が、ベクトル制御を売り文句に日本市場に参入してきたため、上のような問題があるにもかかわらず、日本の各メーカーもベクトル制御を採用せざるを得なくなってきており、最近の新形式VVVF車は、ほとんどベクトル制御に変わっている。
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