お召列車
読み:おめしれっしゃ
外語:imperial train
JR某社の規程によると、"天皇陛下、皇后陛下及び皇太后陛下の御乗用として、特別に運転する臨時列車をいう" とされている。このため、厳密には皇太子殿下を始めとする他の皇族方がご乗車になる臨時列車はお召列車とは呼ばないが、一般には混同されることが多い。
特に指定がない限り、お召列車の最前部には国旗を交差して掲げることとなっている。この場合の国旗は、縦666mm、横1000mmの大きさで、中心に直径440mmの赤丸が描かれたものであり、旗玉の直径は105mmとすることが定められている。また、天皇陛下、皇后陛下及び皇太后陛下が列車からいったん降車されると、新しい国旗に交換される。
特に指定がない限り、お召列車を運転する場合の御乗用車には、御紋章を掲出することとなっている。
運転する場合は、運転計画について、宮内庁長官及び関係する地方運輸局長に届出がなされる。
お召列車を運転する線路と平行する線路を同一方向に運転する列車がある場合、お召列車と並列しないように速度を調節して運転しなければならない。また、特に指定した場合を除き、お召列車が停車場に停車している場合、その隣接線路に旅客車を進入させる場合は、御乗用車の正面をさけて停止させなければならない。
特に指定した場合を除き、お召列車に対しては発車ベル等の使用は禁止されている。
原則として、お召列車の運転に関係のある線路では、お召列車の通過する前3時間内は、試運転列車、工事列車、損傷した車両を連結した列車、トロリー及び保守用車の運転、使用は禁止されている。
お召列車の乗務係員は、お召車乗務徽章と呼ばれるバッチを上衣の左胸部につけることとなっている。この場合の乗務係員とは、役員を含むお召列車及び御乗用列車に乗務する全鉄道係員を指す。
ダイヤは秘密ということになっているが、運転されるときは、なぜか必ず沿線にカメラの砲列ができる。
お召列車専用機関車、客車が存在し、ほぼ必ず原宿駅の宮廷ホームから発着していた。昭和天皇は鉄道ファンだったと言われており、専用車両を利用したお召列車の運転回数も数多かったが、平成に入ってからは、お召列車自体の運転回数が減ったばかりではなく、車両も単なる一般列車用のグリーン車を利用される場合がほとんどで、専用車両を利用してのお召列車の運転回数は非常に減っている。
なお、一般車両を使用したお召列車の場合でも、御乗用車になる車両に対しては、ガラスの交換や側板の補強などの改造が施されるため、一度御乗用車として使用されると外観でそれとわかるという鉄ちゃんもいる。
国鉄からお召列車専用客車を継承したJR東日本は、老朽化しているお召列車専用客車を廃し、新たにお召列車専用電車を新製することを2004(平成16)年6月に発表した。今後数年のうちに、お召列車専用電車が新たに登場する事になると思われる。
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