亞北ネル
読み:あきた-ねる

 2ちゃんねるで「初音ミク」潰しに奔走した電通工作員(時給700円のアルバイト)を「擬人化」した女の子キャラで、VOCALOID派生キャラクターである。
目次

誕生前の騒動

荒れる板
 初音ミク発売後、2ちゃんねるのニュース速報+板は大荒れに荒れ、大量のスレッドが消費されていた。
 当時、「初音ミク」の画像がGoogleの画像検索で全く出てこないことが知られていた。その騒動を決定づけたのは「電通やTBSの陰謀説」を疑わせる、一連のスレッドである。
 これらのスレッドが立てられて以降、延々と「もう飽きたから寝る」などの印象操作を目的としたレスを書き続ける荒らしが出没し、板はカオス化していた。
 延々と、ほぼ同じ内容の文面が、異なるIPアドレスから、それも極めて短時間に連続で書き込まれるようになると、どう考えても組織犯ではないかと疑われるようになる。

工作員発覚
 荒らしの勢いは治まることなく、また2ちゃんねらーもますますヒートアップしていた。
 そんな騒動に転機が訪れたのは、何と52スレ目、2007(平成19)年10月20日に立てられたスレ「【ネット】 なぜ? 「初音ミク・画像」「亀田・反則」、ネット上から“消えた”…電通やTBSの陰謀との説も★52」であった。
 ここで、「おまんちん」と称される罠が仕掛けられ、踏んだ者のIPアドレスを延々と記録し続けた。ここに工作員らしき者がかかり、「ぐるっぽ」と呼ばれるサービスを利用していたことが判明する。
 その運営会社が「有限会社Colors」と判明し、更に、このスレの>>309にて有限会社COLORSの求人情報が見つかった。
 有限会社COLORS
 仕事内容 インターネットを利用しメールや掲示板の書き込み業務。
 給与 時給 700〜 円、完全歩合給です
 これは工作員の募集にしか見えず、今までは「ネタ」「実際にはいるわけがない」と思われていた「工作員」が、本当に存在したことが明らかとなったのである。
 実際には「有限会社Colors」と、このネット工作会社「有限会社COLORS」は別の会社と判明するが、それは後の話。当時は、この会社からの派遣と信じ込まれた。
 土曜の深夜まで休日出勤で残業、その上、ネット掲示板での工作書き込みである。あまりに立派な仕事っぷりに、ここでいきなりスレッドの空気が変わってしまった。

工作員その後
 最終的に、この陰謀説スレは74スレまで立てられた。
 あくまでニュース「速報」ということで、同じソースでスレッドを立てられる期限が決められているためである。
 工作員の正体が定かにならなかったため、当時本当に「亞北ネル」が「時給700円」で書き込みをしていたのかは今なお定かになっていないが、猛威をふるったTBSと電通の工作員は四散、以降は、初音ミク関係のスレッドが立つたびに貼り付き、「キモオタ叩き」に精を出すようになった。
 これは、これを著している2010(平成22)年4月時点でも同様のようである。

誕生
 そんな騒動の中、この電通工作員を女の子キャラとして擬人化した人がいた。作者は「スミス・ヒオカ」と称した。
 【話題】仮想アイドル「初音ミク」、音楽制作ソフトとしては異例の2万本の大ヒット、「ニコニコ動画」などに様々な自作曲を掲載★4スレの700として、「ニュース板」であるにも関わらず自作絵が投稿された。
 700 :名無しさん@八周年:2007/11/01(木) 23:16:24 ID:R+kZ+ZDO0
 描いてみたシリーズ
 カキコロイド「亞北ネル」
 
 ttp://hisazin-up.dyndns.org/img/src/1193926483144.jpg
 かくして、偶然にも時給700円と同じレス番にて亞北ネルは誕生したのである。
 「防火ロイド」とも呼ばれるようになったのは、更に後のことである。

特徴

風貌等
 ネルは金髪、ポニーテールの女の子である。ミクと同様のデザインの金色のネクタイを着け、おへそを出す露出度の高い服を着ている。
 たまたま鏡音リンと似たようなキャラとなったが、画像公開はネルの方が早い。類似は偶然である。
 ボーカロイドと同様左肩に「DEN2」と書かれている。彼女は人間であり、またアルバイトに過ぎないので、これはシールであるらしい。
 自称防火ロイド。だが、所詮「荒らし」でしかない彼女は、もちろん放火ロイドと呼ばれている。

設定
 作者はコテハンを「スミス・ヒオカ」と称している。
 原作者らによる、ネルの基本設定は次の通り(設定は随時変わる)。
 その他特徴
 17歳と初音ミクより年上の設定だが、14歳の鏡音リンより小さいらしい。
 東北なのは、亞北→秋田、という単純な連想からと推定される。
 PVでは「IP抜かれた なじょすたらいがんべ」なる発言をしている。宮城県付近の方言、推定 仙台弁だが、今時こんなことをいう若者はいないらしい。

利用条件
 公式ブログにて、利用条件が示されている。
 当初は比較的自由度の高い条件が示されていたが、後に「亞北ネルは初音ミクの二次的著作物とする」旨の覚書が、初音ミクのメーカーであるクリプトン・フューチャー・メディア(以下クリプトン)と交わされた。
 かくして、曖昧だったキャラクターの性質は決まり、形式上は合法的に亞北ネルの商用利用が可能となった。原作者の表明に基づき、利用は次の通りとなる。
 ちなみに、JASRACに登録する用途への利用は、今は分からないが当初、原作者は好意的でなかった。

展開
 誕生後から人気を獲得し、原作者や第三者により、より面白くなるよう、様々な設定が追加された。
 基本的には、ミクのパチモンである「へなちょこヒールキャラ」を演じることになるが、やがてテーマソングまで作られた。

テーマソング
 ネルを題材にしたオリジナル曲には、次のようなものが確認されている(発表日順)。
 いずれもボーカルは「初音ミク」である。

鏡音レンに一目惚れ
 DD(ニコニコ動画登録名)により作られた、「伝えたいけど飽きた寝る」PV版の最後の「おまけ」に、新たに登場した鏡音レンにネルが一目惚れするシーンが描かれた。
 これをもって、亞北ネルは鏡音レンに惚れているという設定が追加された。ネルのショタコン説もささやかれるが、17歳のネルが14歳のレンに惚れることがショタコンにあたるのかは定かではない。
 また、この設定に触発され、Malによりオリジナル曲「片想」が作られた。

東北弁
 東北出身という設定が付けられたので、お約束「みくみくにしてあげる♪」の替え歌として東北訛り版が作られた。
 代表的なものは「【亞北ネル】ねるねるさしてけるべ♪【してやるが】」である。

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