中国
読み:ちゅうごく

 中心にある国、中規模の国、あるいはある基準から遠近を見たとき近中遠の中の国のこと。
目次

概要
 古典の世界では、世界は狭かった。地球という存在は当時は知られておらず、自分たちの土地が中心と考えた。これは世界の何処でも概ね同様である。
 このため中国という表現は多岐多様である。
 日本語ひとつとっても「中国」には複数の意味があることから、誤解を避けるためには大陸の国は「支那」と呼ぶべきである。

特徴

日本の中国地方
 現在、日本で中国というと「中国地方」をいい、これは山陽地方と山陰地方を合わせた地域である。中国新聞は広島県、中国銀行は岡山県に本社を置いている、れっきとした日本の企業である。
 古代、畿内(京の都)からの遠近で国(今で言う令制国)を表わした時、近国と遠国の中間なので中国とされたとする説など、様々な説がある。
 いずれにせよ、何らかの基準による遠近の中がその由来にあるようで、世界の中心といったような大それた意味は無いと見込まれる。

日本の古典
 日本神話によると、この地上は「葦原中国」(あしはらのなかつくに)とされた。
 ただこの中国(なかつくに)にも、やはり世界の中心といったような大それた意味は無いと見込まれる。
 天上の高天原(たかまがはら)と、地下の黄泉の国の間にあるとされることから、この「中間」にある人間が住む世界が葦原中国と呼ばれるようになったと考えられ、つまり天上と地下の中間なので、中国なのである。

中華
 支那大陸に成立した国家、中華民国中華人民共和国、特に後者を中国と言うことが多い。
 中華とは、世界の中心で華やか、という意味を持つ、中華思想を表わす言葉である。そしてその周辺に住む者たちは蛮族であるとみなし、「北狄」「東夷」「南蛮」「西戎」とそれぞれ呼んだ(日本や朝鮮は東夷である)。
 中華民国は1912(大正元)年に成立し、それまでは原則として一文字の国号で王朝を表わした支那に、初めて一文字で無い国号がもたらされた。但し略称は「中国」である。

再検索