沖ノ鳥島
読み:おきのとり-しま
外語:Okinotorishima island

 本州から約1,740km離れた、日本最南端の
目次

概要

自治体
 東京都小笠原支庁管内小笠原村に属する。
 島内に存在する地番は次のとおり。
 この通り行政区画上こそ東京都だが、1999(平成11)年6月の閣議決定で国の直轄管理となっている。

基本情報

通信
 無人島なので郵便は届かない。
 無人島なので電話は存在しない。

沿革
 この島はスペイン船が発見したが、当時この島を領有する国はなく、後に日本領となった。

地理

地勢
 東西約4.5km、南北約1.7kmのサンゴ礁の島。海底火山の働きで出来た島だが、太平洋の強い波の浸食を受け水没の危機にある。
 島と名が付いてはいるが、実は水深2mであり、大部分が海底に没している。
 そして、次の二つの岩が海面上に出ているだけである。

運輸

道路
 島内に道路は無い。

道の駅
 島内に道の駅はない。

鉄道
 島内に鉄道はない。

飛行場
 島内にヘリポートが設置されている。

特徴

島の状況
 島は北緯約23°26′の北回帰線よりも南にあり、日本で唯一熱帯に属する南海の孤島。

EEZ
 しかし島自体の面積は小さいながら、この島が風化したり波の下にもぐってしまうようなことがあると、日本の200海里(370km)の排他的経済水域(EEZ)約40荳km2分を失ってしまうことになり、莫大な損害となる。

上陸
 人が上陸することは不可能ではない。また国有地であることから、法的にも上陸は問題ないとされる。しかし事実上、ほぼ不可能である。
 なぜなら現状、島には港湾施設がなく、島の周囲は浅瀬であり環礁があるうえに潮流もあるため、操船を誤れば座礁の危険があり、簡単には近づけないからである。
 また、不用意に近づいて島を損傷する危険もある。

支那
 2001(平成13)年頃より、支那共産党政府は、この沖ノ鳥島を「岩」だと主張している。領土であることは容認するが、排他的経済水域の設定は認めないと主張した。
 この支那の動きの理由は幾説かあり、次のような目論見があるのではないかとされている。
 前者は、西沖縄海の海底油田と同様、日本の資源を奪い取ろうという魂胆である。
 後者は、西太平洋の覇権を握ること、および台湾侵略時の米軍介入への対抗のため、支那の軍事戦略における「第一列島線」と「第二列島線」を設定しており、この中間に位置する沖ノ鳥島周辺海域の正確な海底地図を作るためと見られる。そして、既に島周辺海域では支那の潜水艦が必要なデータ収集を続けているとされる。
 そして、ここに排他的経済水域や領海が設定されていると邪魔であるため、このような主張をするようになったのではないか、とする説がある。
 これ以降、日本も対抗し、知事の視察や、住所を表示した銘板の設置、電子基準点の設置、ヘリポートの設置、灯台の設置、港湾施設の建設方針を発表、などをしている。

島嶼防衛
 排他的経済水域を守るため、日本はこの島に献身的な努力を施し続けている。

島の強化
 1987(昭和62)年度から480億円を掛け、岩礁の周りを鉄製の消波ブロックとコンクリートでドーナツ状に固めた。大きさは直径約50mである。
 更に、東小島にはチタン合金製の蓋を被せている。
 また、島は24時間体制で遠隔監視している。

住所表示
 2005(平成17)年6月17日、北小島を囲むコンクリート製の護岸に住所表示や緯度経度などが書かれた縦1m、横1.5mのチタン製の銘板が付けられた。
 ここには、次のように記されている。
 沖ノ鳥島
 日本国の最南端の島
 設置場所
 東京都小笠原村沖ノ鳥島1番地
 北緯 20度25分
 東経 136度04分
 沖ノ鳥島は、国土交通省が海岸保全区域に指定し、管理しています

灯台の設置
 2005(平成17)年8月24日には、海上保安庁が灯台を設置することを決定、2006(平成18)年度予算に建設費約3000万円を計上した。
 灯台は「沖ノ鳥島灯台」として、2007(平成19)年3月16日に運用を開始した。
 灯台は無人で、灯器は白色LEDである。昼間に充電し、夜間には8秒に1回、白色に発光する。見える範囲は360°、光達距離は12海里(22km)である。
 灯台完成に伴い、時折発生する座礁事故も減り船舶の安全な航海が可能となり、またこの島を岩だと主張する支那に対し、島としての存在感を示すことが可能となる。

珊瑚増養
 人工的に埋め立てても国際的に領土と認められないので、「自然に」水没を防ぐ技術が求められている。
 そもそも、この島は珊瑚礁の島である。しかし近年は、海面上昇や波の侵蝕などで島周辺の珊瑚礁の群生は数を減らしている。速やかな自然環境の回復が必要なので、人為的にこの珊瑚礁を増やし、自然回復と島の水没防止を目指すことになった。
 水産庁は2006(平成18)年度〜2008(平成20)年度の事業とし、2006(平成18)年度に3億円の予算を計上して事業募集した。
 2006(平成18)年4月18日、水産庁が設置した「サンゴ増養殖技術検討委員会」が初会合を開かれ、この委員会では、島周辺の珊瑚の生育状態の調査、新技術による増殖方法の案などが承認された。方法は、島周辺で採取した珊瑚礁から卵を採取し、水槽で育て、これを海底に戻すというもので、5月から実行されることになった。

港湾施設
 2009(平成21)年11月6日、政府は港湾施設の建設方針を決定し、発表した。石原慎太郎東京都知事が発案し、前原誠司国土交通大臣がGOを出したとされる。
 現状、島には船舶の接岸施設がなく、上陸するためには沖合に停泊してそこからボートで近付く以外にはない。そこで、2010(平成22)年度予算に必要経費を計上し、調査と設計に着手するとした。
 港は、島の護岸管理や海洋調査の拠点となるとしている。

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