ワイアレスマイクロフォン
読み:ワイアレス-マイクロフォン
外語:wireless microphone
無線の
マイクロフォン
。装置との接続に、
赤外線
や
電波
などを使い、無線化したもの。略して「ワイアレスマイク」。
目次
概要
特徴
電波式
A帯(A型帯域)
B帯(B型帯域)
C帯(C型帯域)
D帯(D型帯域)
補聴援助用
赤外線式
補足
概要
電波式の場合は俗にA帯、B帯、C帯、D帯などの名があるが、この名はあくまで俗称で、
電波法
等で規定されたものではない。
業務用無線などを除くと、次のようなものが広く使われている。
電波
74MHz帯
D帯
補聴援助
300MHz帯
C帯
800MHz帯
A帯
B帯
赤外線
特徴
ワイアレスマイクは、価格が高い。しかし、マイクとしての性能が高いわけではなく、マイク部分に高級な部品が使われているわけでもない。むしろ安い部品が使われていることが多い。
これは、変調・赤外線送信や
充電池
など、有線マイクなら不要なものに費用が掛かるからである。しかも、音が良くなるわけではなく、逆に劣化する。
例えば、
カラオケボックス
用の赤外線ワイアレスマイク、オーディオテクニカAT-CLM700系ならマイク本体定価は25,000円(税別)。安く買って2万円程度である。電波式なら更に高くなるが、カラオケボックスでは電波式だと隣の部屋と
混信
するので殆ど使われていない。
当然ながらスタジオレコーディングに使われているマイクロフォンはすべて有線である。
電波式
A帯(A型帯域)
この周波数帯は放送や音楽などの高音質用途であり、一般が使うものではない。
またFPU(Field Pickup Unit)の周波数帯と共用となるため、
無線局
の免許が必要で、また混信を避けるため事前に他局との運用スケジュール調整が必要になる。
ディジタル (125kHz間隔、出力10mW以下、
電波の型式
G1D、
G1E
)
770.250〜797.125MHz (216波)
FMアナログ (125kHz間隔、出力10mW以下、電波の型式
F3E
、F8W、
F8E
)
コンパンダ方式を使用するもの
797.125〜805.875MHz (71波)
779.125〜787.875MHz (71波)
コンパンダ方式を使用しないもの及びステレオ伝送方式のもの
797.250〜805.750MHz (69波)
779.250〜787.750MHz (69波)
B帯(B型帯域)
一般的な用途用。電波法施行規則で
特定小電力無線
の無線局に該当するため、免許が必要ない。
ディジタル/アナログ兼用。
ディジタル (125kHz間隔、出力10mW以下、電波の型式G1D、G1E)
FMアナログ (125kHz間隔、出力10mW以下、電波の型式F3E、F8W、
F8E
)
806.125〜809.750MHz (30波)
音質はA帯と変わらず高音質だが、混信の可能性が高く、運用にはリスクが伴う。
C帯(C型帯域)
必要最低限の明瞭度で充分な用途用。電波法施行規則で特定小電力無線の無線局に該当するため、免許が必要ない。
FMアナログ (25kHz間隔、出力1mW以下、電波の型式F3E)
322.025〜322.150MHz (6波)
322.250〜322.400MHz (7波)
チャンネル数が少ないこともあり、混信のリスクが高い。
そもそも音質が悪いので、音楽等には向いていない。ネクタイピン型のマイク(ピンマイク)と携帯式受信機を組み合わせる例が多く、工場案内や見学、または同時通訳などで使われる。
D帯(D型帯域)
必要最低限の明瞭度で充分な用途用。電波法施行規則で特定小電力無線の無線局に該当するため、免許が必要ない。
FMアナログ (60kHz間隔、出力10mW以下、電波の型式F3E)
74.58〜74.76MHz (4波)
C帯と同様に音質は良くない。C帯とは周波数帯が異なり、またチャンネル数も少ない。
補聴援助用
主として聾学校用。電波法施行規則で特定小電力無線の無線局に該当するため、免許が必要ない。
FMアナログ (出力10mW以下、電波の型式F3E、F8W)
75.2125〜75.5875MHz
12.5kHz間隔(スーパーナロー)、31波
25kHz間隔(ナロー)、15波
62.5kHz間隔(ワイド)、5波
169.4125〜169.7875MHz
25kHz間隔(ナロー)、16波
聾学校で、先生がマイクで話し、生徒が携帯受信機で受信して聞く、または受信機付き補聴器を使って聞くような用途に使われている。
用途に応じて帯域幅が選択できる。
赤外線式
電波ではなく、赤外線を使ったものである。
赤外線は
可視光線
と同様に壁を通過しないため、隣接する部屋で同時に使用しても混信しない。このため
赤外線ワイアレスマイクロフォン
は、部屋が密集している学校の教室や
カラオケボックス
などで重宝されている。
補足
かつては、40MHz帯や200MHz帯のワイアレスマイクも使用されていた。
日本では電波法改正により、10年の猶予を経た1996(平成8)年5月27日に使用が禁止となった。
今使えば
電波法
違反の違法無線局として摘発の対象となる。特に200MHz帯は官公庁が用いているため、通信に支障を来たせば徹底的に調査される。
但し、これ以降も、27.12MHzおよび40.68MHzを用い、かつ総務省告示を充たすものは
微弱無線局
の扱いとして利用することができる。
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