天王如来
読み:てんのう-にょらい

 妙法蓮華経 第五巻の "提婆達多品第十二" で説かれる仏(如来)。神の王の意。
 釈迦の従兄弟であり、阿難の兄である提婆達多は、妬みから釈迦の殺害を目論んだ極悪人である。しかし釈迦はそのような提婆達多でさえ、将来は天王如来という名の仏となり、その国は天道(てんどう)と名付けられるという記別を授けた。
 更に釈迦曰く、釈迦は前世では国王であり、提婆達多は前世では阿私という名の仙人であった。この国王は常に真実の教えを乞うていたところ、この仙人が現われ、教えを受けて遂に国王は仏の悟りを得たという。すなわち極悪人だった提婆達多も実は釈迦の恩人であって、将来には必ずや仏になれる、と説いている。

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