ギリシャアルファベット
読み:ギリシャアルファベット
外語:greek alphabet
アルファベット
の一種で、ギリシャ語で使われているもの。
目次
概要
由来
発音
アクセント
特徴
基本
現代ギリシャ語
古典ギリシャ語
概要
由来
ギリシャアルファベットはフェニキア文字などを元にして作られた文字である。現在使われている
ラテンアルファベット
は、ギリシャアルファベットを元にして後世作られた文字である。
古代には、今でいうところの大文字しか存在しなかった。小文字が案出されたのは、後世である。
また現代ギリシャ語では、古典ギリシャ語で使われていた幾つかの文字が使われなくなっている。
発音
古典ギリシャ語と現代ギリシャ語は似て非なるもので、特に発音が全く違う。
古典ギリシャ語はラテン語や
日本語
と同様の高低アクアセントだったが、現代ギリシャ語では強勢アクセントに変化した。
このため、文字の使われ方なども大きく変化し、文字自体の発音も変わってしまった。
文字の英名や、それに由来する日本での呼称は、このうち古い方が元になっている。
アクセント
アクセント記号は、現在のものは一種類、以前は三種類の複式アクセントであった。
現代ギリシャ語でも長く三種類の複式アクセントが使われていたが、1982(昭和57)年の正書法改革により、現在では一種類だけが残っている。今後も簡略化は進められるとしている。
特徴
基本
現代ギリシャ語で使う文字は、大文字が24字、小文字が25字である。基本的に大文字と小文字は1対1で対応するが、シグマ(Σ)の小文字のみ二種類あり、語頭・語中の場合はσ、語尾の場合はσが使われる。
Α
Β
Γ
Δ
Ε
Ζ
Η
Θ
Ι
Κ
Λ
Μ
Ν
Ξ
Ο
Π
Ρ
Σ
Τ
Υ
Φ
Χ
Ψ
Ω
α
β
γ
δ
ε
ζ
η
θ
ι
κ
λ
μ
ν
ξ
ο
π
ρ
σ/σ
τ
υ
φ
χ
ψ
ω
自然科学
の分野では、ギリシャ文字を記号として取り入れ用いており、非ギリシャ語圏でも比較的よく用いられている。日本でも同様の分野で使われており、この文字が現用
日本語
文字集合の
JIS X 0208
に存在する。
現代ギリシャ語
古典ギリシャ語には、アクセント記号が三種類存在した。現在では、1982(昭和57)年の正書法改革により、かつての鋭アクセント(οξει'α、oxia)一つだけが残っている。アクセントはτο'νοσ(to'nos)というが、一つしかないので、現在ではto'nosとoxiaはほぼ同義である。
現代ギリシャ語は、基本の文字と、アクセント(to'nos、トノス)つき母音(α'、ε'、ι'、ο'、η'、υ'、ω')があれば書き表わせる。なお、トノスは、いわゆるアキュートアクセントである。
アキュートアクセントは´のように、右上上がりの形状に書かれるのが一般的である。しかしギリシャ語の場合、今ではアクセントが一種類しかなく、アクセントの有無さえ分かれば良いということで、上に縦棒、上に点、といった表記をする者も少なくないらしい。
古典ギリシャ語
古代ギリシャ語では、様々な記号が使われていた。併記したラテン文字表記は現在のギリシャ語に対応するもの。
長短
長音記号 (μακρο'ν、macron)
短音記号 (βραχυ' 、vrachy)
分離記号 (διαλυτικα'、dialytika)
アクセント
鋭アクセント(οξει'α、oxia)
重アクセント(βαρει'α、varia)
曲アクセント(περισπωμε'νη、perispomeni)
下書きのι
イポ・ゲグラメニ(小文字用) (υπογεγραμμε'νη、ypogegrammeni)
プロス・ゲグラメニ(大文字用) (προσγεγραμμε'νη、prosgegrammeni)
気息記号
無気記号 (ψιλη'、psili)
有気記号 (δασει'α、dasia)
また、アクセント、気息記号、下書きのιは、組み合わせて用いられることもある。
組合せは、次の二種類である。
アクセント(鋭/重/曲) + 気息記号(無気/有気)
アクセント(鋭/重/曲) + 気息記号(無気/有気) + 下書きのι
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