Web 3.0
読み:ウェブさんてんれい
外語:Web 3.0

 新しいWebの概念として提唱されたものの一つ。Web 2.0の後継となる。
目次

概要
 Web 2.0に明確な定義がないように、Web 3.0にも明確な定義はない。従ってこの語もバズワードである。
 ただし、Web 3.0の基本的なコンセプトは決まっていて、「プライバシーに賛成」「独占に反対(脱中央集権)」ということである。

特徴

プライバシーと独占
 Web 2.0の時代が到来し、FacebookやTwitterといった様々なSNSが普及、公共インフラとなった。
 それまで新聞やテレビ、ラジオといったマスコミを用いてしか広く情報を広めることができなかった時代を打破し、人々は直接声を上げる手段を得ることができた。しかし、その手段もまた民営であり、かつ独占されており、しかも利用者の囲い込みもなされた。これら民間企業は利用者のデータ収集・解析をし、それを広告主に売ったりして利益を得ていた。
 結果として、利用者は商品となっていた。Web 3.0はそういった状況に対するアンチテーゼとして登場した。つまり「情報は一極化しない」ことで独占を防ぎ、かつオープンネットワークを用いて必要な情報は共有する、というものである。

脱中央集権
 Web 2.0の時代は、FacebookやTwitterが人々の情報発信基地となるが、しかしそこで自由に発信できるわけでもない。
 政府や団体の圧力で検閲されたり、あるいは運営会社の恣意的運用や都合の悪い情報の排斥などの横暴がまかり通るようになり、問題となった。Twitter社が、トランプ米大統領のアカウントを削除(その後、嫌々ながら復旧)するような事件が実際に発生している。
 そこで、様々な技術と手段を用いて「情報の一極集中を辞めよう」という方向に動くようになった。
 もちろん、完全な無料サービスなどは不可能である。サービスの運用には費用が掛かるからである。一方で、完全有料サービスも普及しないだろうことから、Web 3.0時台でも運営は企業となり広告ベースでのサービスとなることが予想される。しかしWeb 3.0時代が進むにつれ、独占なサービスから健全な水準での競争のあるサービスへと移行していくものと期待されている。

分散と表現の自由
 情報は一ヶ所にまとめると独占が起きてしまう。そこで、中央集権や人為的な仲介を不在とする設計が望ましい。その上で信憑性を担保するため、「ブロックチェーン」技術を用いる。
 こうして、例えばFacebookやTwitterの代替となる技術は、例えば「Steemit」や「Akasha」などがある。この二つはブロックチェーン技術により改竄や検閲を受けない自由な言論空間を提供しているが、これらはイーサリアムネットワーク上に構築された分散型ソーシャルメディアであり、イーサリアムは分散型アプリケーション(DApps)の開発をするプロジェクトとして活動をしている。
 ブロックチェーンを使っての本格的な分散がWeb 3.0のゴールと仮定するとしても、そのゴールへの到達(≒普及)は長い時間が掛かるだろう。人のいないSNSほど無意味なものはないからである。ゆえに、Web 2.0からWeb 3.0への過渡期には、過渡期らしいアプリケーションがあってもよい。
 例えばTwitterの代わりにMastodonを使うだけでも中央集権の回避は可能だろう。一足飛びに理想を実現するのは難しく、実現には時間が掛かる。Web 2.0からWeb 3.0は徐々に移行すると考えられる。

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