SAS
読み:エスエイエス
外語:SAS: Serial Attached SCSI
シリアル化された
SCSI
で、
パーソナルコンピューター
と
ハードディスクドライブ
を接続するための
インターフェイス
の一つ。
目次
概要
由来
特徴
SCSIとの差
SATAとの互換
トポロジー
コネクター
補足
利点
バージョン
概要
SCSIの一種で、従来は
パラレルインターフェイス
であったものを、シリアル化したものの一つである。
シリアルATA
(SATA)と互換性が持たせてあり、SATAで使われている7ピンのデータ端子と15ピンの電源端子が、そのまま利用できる。
普及しており安くなっているSATAのコネクターやケーブルをそのまま使うことができ、また遅かったSCSIに対してSATAの物理層プロトコルも使うことができるため高速化にも寄与している。
由来
SCSIも、俗に
SCSI-3
と呼ばれる仕様で、高速化された規格が様々に作られた。
2000(平成12)年に策定されたUltra320-SCSIは、それまでの技術の集大成で、Fast160(80MHz、DDR)を16組(WIDE)の差動
信号線
で伝送することで320Mバイト/秒転送を達成した。しかし技術的難易度が高く、パラレルのSCSIは、この時点で限界に達した。
これと同時期、もう一つのHDD用インターフェイスであるATAは、
パラレルATA
から
シリアルATA
になった。
SCSIも当然ながらシリアル化を模索した。2003(平成15)年にはシリアルのUltra640-SCSIが登場し、更にUltra1280-SCSIも提案されてはいたが、しかしまず最初のUltra640-SCSIが普及せず、そのまま幻となった。
同じく2003(平成15)年にはシリアルATAの物理層を流用するSAS 1.0も策定、Ultra640-SCSIの失敗が確定した2006(平成18)年頃よりSASは徐々に普及が始まった。
特徴
SCSIとの差
ハードウェアの面では、パラレルのSCSIとは何一つ互換性はない。コネクターが違い、ケーブルも違う。物理層プロトコルも全く違う。これは、パラレルATAに対するシリアルATAと同様で、インターフェイスが異なる以上はやむを得ない。
ただしソフトウェアからはパラレルSCSIと同様に見えるようになっており、SCSI用のソフトウェアの多くが利用できる。これも、パラレルATAに対するシリアルATAと同様である。
SATAとの互換
SASコントローラーにもよるが、SASコントローラーがSATAの機能を持っている場合、SASのインターフェイスにSATAのデバイスを接続して使うことができる。
一方で、その逆(SATAのインターフェイスにSASのデバイスを接続)は互換性がないためできない。
トポロジー
パラレルSCSIのトポロジーは
デイジーチェーン
であり、複数のデバイスで共有できるバスだった。
SASはSATAと同様に
ポイント・トゥー・ポイント
のインターフェイスである。
コネクター
様々なものがある。
内部ケーブル
SFF-8087 (コントローラー側コネクター)
SATA (標準)
SFF-8087
SFF-8482
SFF-8484
外部ケーブル
SFF-8088
補足
利点
SCSIは、古くは
パーソナルコンピューター
でも
SASI
の次として使われていたが、こちらは
ATA
などに完全移行した。その後は主としてサーバー用途で地味に使われていた。
サーバーとしてはHDDの小型化が求められてきたが、シリアルATA互換のコネクターに移行したためこれも可能となり、SASの2.5インチHDDも登場している。
バージョン
SAS 1.0 (3.0Gbps)
シリアルATA 2.0とほぼ同等の(つまり
PCI Express
が元となる)物理層を採用。
3.0Gbps(実効速度300Mバイト/秒)の転送速度
符号化は
8b/10b
SAS 2.0 (6.0Gbps)
シリアルATA 3.0とほぼ同等の物理層を採用。
6.0Gbps(実効速度600Mバイト/秒)の転送速度
SAS 3.0 (12.0Gbps)
12.0Gbpsの転送速度
SAS 4.0 (22.5Gbps)
策定中。符号化を128b/150bに変更し、22.5Gbpsの転送速度を実現予定
再検索