MNP
読み:エムエンピー
外語:MNP: Microcom Network Protocol

 米Microcom(マイクロコム)社の提唱した各種のアナログモデム接続用の通信プロトコル
目次

概要
 OSI参照モデルのデータリンク層に位置付けられる。
 MNP自体は一社独自の仕様であったが、これを元にITU-Tによって機能拡張された規格ITU-T V.42などが勧告され、これらは広く普及することになった。MNPはパブリックドメイン扱いとなっている。

特徴

仕様
 MNPにはクラス1/2/3/4/5/6/7/9/10の9種類がある。
 クラス1〜4が誤り訂正のプロトコル、5〜9が誤り訂正とデータ圧縮のプロトコル、10は回線状態悪化に適応するためのプロトコルとなっている。
 各クラスは基本的に上位互換となっており、相手のモデムが自分より低いクラスしかサポートしない場合には下位のクラスで接続できるようにされている。
 クラス1および2は単体で使う製品は無く、常に他のクラスと併用される。多くのアナログモデムはクラス4または5までを標準的にサポートした。

技術
 全てのクラスは、フレーム単位の伝送とCRCによるエラー検出、再送による誤り訂正機構を備えている。
 クラス5以上のデータ圧縮は、誤り訂正プロトコルに付加する圧縮オプションとして機能する。
 なお、MNPでの圧縮は効果の有無に関わらず常に機能するため、圧縮済みのバイナリファイルの転送時などではかえって効率が落ちる場合がある。後継といえるITU-T V.42bisでは効果に合わせて動的に圧縮機能を停止できるため、このような場合でも効率が落ちないようになった。

MNPの一覧
MNP1
キャラクター同期
効率は非同期通信で70%程度
MNP2
キャラクター同期
全二重対応で、効率は非同期通信で84%程度
MNP3
同期通信。110%程度の効率。
MNP4
MNP3+誤り訂正
120%程度の効率
MNP5
MNP4+データ圧縮
200%程度の効率
MNP6
MNP5+ITU-T V.29
9600bps半二重
MNP7
MNP5+ターボモード。スループット1.66倍速。約300%の効率。
MNP8
MNP6+MNP7
半二重構造でクラス7とは非互換であり、実際の製品はない
MNP9
9600bpsクラス全二重規格 ITU-T V.32
MNP10
移動体通信。自動速度調節機構。
MNPの全てのクラスに互換があるほか、回線品質に応じ、自動で速度を調整する機能を持つ。

再検索