Lightning
読み:ライトニング
外語:Lightning

 iPhone 5以降のiPod/iPad/iPhoneシリーズで採用された拡張用コネクター。充電端子も兼用となっている。
目次

概要
 全9接点のコネクターである。大きさはmicroUSB(A端子)とほぼ同じ。
 見た目は8ピンだが、更に周囲が接点となっておりグランドとしても使われているため、計9接点が存在する。
 また、上下どちらに指し込んでも使用できるリバーシブル仕様なのも特徴である。差し込むケーブル側(プラグ側)は両面に端子があるが、差し込まれるiPhone 5本体側(レセプタクル側)は片面にしか接点がない。つまり、プラグにある接点のうちのどちらか片側が使われることになる。
 端子数が多いため当初はUSB 3.0に対応するのではないかと考えられてはいたが、実際にはUSB 2.0相当である。USB 3.0/3.1相当の信号線は存在しない。

特徴

経緯
 Lightning(ライトニング)は元々は内部名称だったが、これが正式名称となった。同社のMacで使われているThunderboltを意識した名称と思われる。なお、ThunderboltもLightningも、共にを意味する。
 開発初期には19ピンなどのリーク情報が出回っており、様々な仕様が検討されたようだが、最終的にはシンプルな9接点として正式発表された。

USB
 MacではThunderboltが採用されているため、本来ならここでもThunderboltを採用したかったところだが、スマートフォンとPCとではハードウェアの都合が異なるため、難しかったようである。
 ThunderboltはIntelのチップで実現され、Intel Macではこれが利用できる。しかしiPhoneなどのCPUはARMアーキテクチャなので、そのままでは使うことができなかったらしい。
 Thunderboltが利用可能になれば、またコネクターを変える可能性があるが、それまではUSBを採用することにしたようである。

コネクター
 Lightningのコネクターは、Lightning専用に開発されたものであり、従来の30ピンDockコネクタとは違って汎用品の流用ではない。台湾Cheng Uei Precision Industry社(通称、Foxlink)と台湾Hon Hai社が供給しているとされている。
 表面に同じ長さの接点が8本並んでいるだけのシンプルなプラグだが、この8端子の機能についてはまだ分かっていない。ある憶測では、4端子が信号伝送、2端子がデバイスの認識、2端子が電源、とされている。
 プラグ側片面を右から順に1番、2番…と仮に附番した場合で、かつ仮にどちらか片方を表と仮定すると、次のような配列であることが確認されている。
番号機能番号機能
1GND8 
2USB D+7USB D+
3USB D-6USB D-
4USB VBUS5 
5?4USB VBUS
6?3 
7?2 
8?1GND
 USB 2.0が2系統あるが、このうち片方が使われている。裏表どちらに指しても同じ極が有効になり、他方は無効となる。何らかの方法でコネクターの表裏を判断しているのだと考えられる。

ケーブル
 サードパーティー製では様々なLightningケーブルが市販されているが、純正品「Lightning - USBケーブル(1m)は、2018(平成30)年7月現在、1メートルで2,200円(税別)と非常に高価である。
 このケーブル、内部に認証チップがあり、電源線であるV+ラインすらもこのチップを通していることから、このチップ無しでは充電ケーブルとしてすら使えないと言われている。そして、Appleから正規にライセンスされた製品には正規のチップが組み込まれることになる。Appleは、サードパーティー製の安価(というよりは支那製のパチモノ)な製品を排除したかったと思われる。
 方や支那ではパチモノを作るべく全力でチップの解析(?)が進められ、甲斐あって現在では日本でも100円ショップなどで安価なパチモノが無事に販売されている。

変換アダプター
 従来の30ピンDockコネクタ用の装置をLightningに接続するため、純正品としては「Lightning - 30ピンアダプタ」が別途提供されている。日本では2018(平成30)年7月現在、3,200円(税別)。この製品はDACなどが内蔵されているためステレオオーディオ出力が可能だが、ビデオ出力(コンポジット映像信号やS映像)などは対応していない。
 30ピンDockコネクタにはFireWire(IEEE 1394)やシリアルも存在するが、これらにも対応するLightning変換装置はサードパーティー製品でも存在するか不明である(USB 2.0とFireWireを出力するものは存在する)。

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