LTE (携帯電話)
読み:エルティーイー
外語:LTE: long term evolution

 3GPPにより策定された、携帯電話機の通信技術の一つ。3Gより進化し、4Gの一歩手間ということで「3.9G」などとも呼ばれる。
目次

概要
 同じく3GPPにより策定された通信技術HSDPA技術(3.5Gと呼ばれる)などで培われた技術を応用し、帯域20MHz時、最高速で下り100Mbps以上、上り50Mbps以上を実現する。
 LTEは様々な技術の組み合わせであるため条件によって速度には差があるが、周波数帯域幅やMIMOのタイプなどにより「カテゴリー」と呼ばれる分類が用意されている。
 long term evolutionとは、長期的進化あるいは長期的発展という意味であり、4Gへの橋渡しとなる技術を標榜した名前である。

特徴

周波数帯域幅
 LTEは、周波数帯域幅として、1.4MHz、3MHz、5MHz、10MHz、15MHz、20MHzの6種類を定義している。
 この周波数帯域幅に加えて、変調方式MIMOの組み合わせで、実際の通信速度が決まる。
 最速となるのは、20MHz、4×4 MIMO対応という条件で、ピーク速度は下りで約300Mbps、上りで約75Mbpsとなり、これは次に述べるカテゴリー5に相当する。しかし、日本でこのサービスは現在、行なわれていない。

カテゴリー
 LTE UE(User Equipment; 利用者端末)の性能は、LTE UE カテゴリーで表わされる。これを著している時点では、カテゴリーは1から6までが存在する。各々で、MIMOや変調方式の有無などが規定される。
 ↑ここまでが通常のLTE、↓ここから下はLTE-Advanced
 日本では、カテゴリー3からサービスが始まり、カテゴリー4へと移行した。
 カテゴリー1カテゴリー2カテゴリー3カテゴリー4カテゴリー5
ピーク速度Mbps下り1050100150300
上り525505075
周波数帯域幅20MHz
変調方式下りQPSK、16QAM、64QAM
上りQPSK、16QAMQPSK、16QAM、64QAM
2×2 MIMOなし必須
4×4 MIMOなし必須

サービス

Xi
 NTTドコモは2010(平成22)年11月8日、サービス名「Xi」(クロッシィ)として2010(平成22)年12月24日から提供開始すると発表し、当日、予定どおりサービスが開始された。
 通信速度は、開始当初はカテゴリー3で5MHzの下り最大37.5Mbps/上り最大12.5Mbpsであり、一部エリアではカテゴリー3で10MHzの下り最大75Mbps/上り最大25Mbpsとなる。またLTE圏外でもFOMAハイスピード(受信最大7.2Mbps、送信最大5.7Mbps)が利用できる。
 NTTドコモは、2012(平成24)年冬モデルからUEカテゴリー4対応機を投入した。15MHz幅や20MHz幅で周波数の割り当てが受けられれば、15MHz幅で下り最大112.5Mbpsに対応できるとしている。

au 4G LTE
 auは、3.9GであるLTEを「4G LTE」の商品名で提供している。
 2013(平成25)年10月に2.1GHz帯の20MHz幅を用いて、下り最大150Mbpsのサービスを開始した。
 2014(平成26)年夏、2.1GHz帯の10MHz幅、800MHz帯の10MHz幅を併用するキャリアアグリゲーション(CA)を導入し、合計20MHz幅として下り最大150Mbps(75Mbps+75Mbps=150Mbps)の提供を開始した。なお、上りの通信速度は変更がない。
 CAの対応の基地局は、CA開始時点で約2500局だったが、2014(平成26)年9月に1万局、2014(平成26)年12月末に全国の約2万局に拡大した。

SoftBank 4G
 次の二種類が提供されている。いずれも3.9Gである。

EMOBILE LTE
 イー・モバイルも、2012(平成24)年3月15日から東名阪主要部を中心に「EMOBILE LTE」の提供を開始した。
 通信速度は、開始当初はカテゴリー3で5MHzの下り最大37.5Mbps/上り最大12.5Mbpsであり、一部エリアではカテゴリー3で10MHzの下り最大75Mbps/上り最大25Mbpsとなる。またLTE圏外でもEMOBILE G4(下り42Mbps/上り5.8Mbps)と称する3Gサービスが利用できる。
 また、2012(平成24)年度中にカテゴリー4の20MHzに対応する方針であり、Pocket WiFi LTE(GL04P)などから製品対応が始まった。但し、この製品発売時点ではまだ1.7GHz帯で15MHz幅しか割当てられておらず、20MHz幅は追加割当を申請中である。
 20MHz幅が割り当てられサービスが始まれば、上表の通り、下り150Mbps(理論値)の速度が実現される。

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