IrTran-P
読み:アイアールトランプ
外語:IrTran-P: Infrared Transfer Picture
IrDAを用いた近距離通信で、写真などの画像データの転送方式。
概要
NTT、ソニー、シャープ、カシオ、オカヤ・システムウェアの5社が開発し、1997(平成9)年6月10日、デジタルカメラ用の赤外線による画像データ転送方式として発表された。
1997(平成9)年10月にはIrDAの正式な規格の一つとして採用され、世界標準規格となった。
特徴
機能
IrDAによる赤外線転送を使用し、静止画に特化した通信プロトコルとフォーマットが規定されている。これにより、従来は同じIrDAを使っていてもメーカーごとに互換が無かった転送方式が標準化されることとなった。
また、対応製品であればカメラ以外にもプリンターや電話機などとデータをやり取りすることもできる。
転送するだけでなく転送された情報の互換性も考慮されており、IrTran-P対応の機器であれば原則として転送された静止画を利用することが可能であり、このため静止画フォーマットは汎用的なJFIF(JPEG画像)が採用されている。サイズもVGA(640×480)を基準としていくつかのバリエーションが用意されている。
制限
IrDAは赤外線転送であるため、それに伴うユーザー利用上の難点がいくつかある。
- 正面から向き合う必要がある
- 転送可能距離が数十cm〜数m程度と短い
- 障害物に弱い
- 実用レベルでの転送速度が遅い
- 転送エラーが発生しやすい
後継と代替
IrDAの直接の後継はないが、代替技術は様々に登場している。
特に海外では赤外線は人気がなく、IrDAを搭載しない製品のほうが一般的である。このため電波によるデバイス間通信規格であるBluetoothやNFCなどに置き換えられつつはある。
日本でも同様の傾向にはあるが、なお赤外線の人気は強い。このため国産の製品であればフィーチャーフォンはもちろんスマートフォンでもIrDAを搭載したものが多く、このような日本独自の多機能な製品は「ガラケー」や「ガラスマ」などと呼ばれることもある。
なお、IrDAを使わない状況では、無線を諦めてケーブル接続による有線転送が利用されたり、スマートフォンなどではネットサービスを用いて交換するようなことも多い。
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