垂直帰線消去期間
読み:すいちょく-きせん-しょうきょきかん
外語:VBI: Vertical Blanking Interval

 テレビ放送の画面で、ある画面を描き終わってから、その次の画面を描きはじめるまでの間のこと。垂直ブランキング期間、VBIとも。
目次

概要

走査
 アナログテレビジョン放送の場合、インタレース(飛び越し走査)といい、最初に1行おきに走査して粗い画面を描き、次にその間を埋めるように画面を描いている。
 2回の走査で一つ画面が作られるが、1回の走査の画面はフィールドと呼ばれ、2フィールドあわせた画面をフレームと呼ぶ。

NTSC
 日本で使われるNTSC方式の場合は1秒間に30フレーム(60フィールド)の画面を送ることにより、動きのある映像を作っている。
 NTSCでは525本の走査線が用意されている。一回目の走査は奇数フィールド(1、3、5、7…523、525番目の走査線)、2回目の走査は偶数フィールド(2、4、6、8…524番目の走査線)で、計525本である。
 これを、1H〜525Hと呼ぶ(1H〜263Hが奇数フィールド、264H〜525Hが遇数フィールド)。

特徴
 以下は、日本のNTSC方式について記述する。アメリカのNTSCでは、信号が異なっている。

VBI領域
 このうち、各フィールドの最初の走査線21本は画面表示には使われていない。
 画面を描くためのタイミングを取る信号(垂直同期信号)などに9本を使っているほかは、未使用となっている。これを利用して、テレビジョン文字多重放送テレビジョン・データ多重放送などが行なわれている。
 目的があって作られた仕様であるにもかかわらず、昨今のマスコミによる報道では「電波の隙間」などと呼ばれる。

範囲
 垂直ブランキング期間(VBI)は、1H〜9H、264H〜272Hである。
 映像信号は、22H〜263H、285H〜525Hであるが、22Hは後半、263Hは前半にしか映像が載らないため、VBIと見なすこともできる。

容量
 NTSCでは、走査線1本につき22バイトを送信できる。
 これが秒間で60フレーム送信されるため、22×60で最大毎秒1,320バイト送信可能である。

VBIマップ
 日本では、VBIを次のように用いている。
1H(264H)垂直同期信号
2H(265H)
3H(266H)
4H(267H)
5H(268H)
6H(269H)
7H(270H)
8H(271H)
9H(272H)
10H(273H)ADAMS
11H(274H)
12H(275H)
13H(276H)
14H(277H)テレビジョン文字多重放送
15H(278H)
16H(279H)
17H(280H)テスト信号(VITS)
18H(281H)
19H(282H)
20H(283H)
21H(284H)テレビジョン文字多重放送
 ゴースト除去基準信号は、18Hおよび281Hに重畳されている。
 CGMS-Aは、21Hおよび284Hに符号化されたID情報として重畳している。

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