CATV
読み:スィーエイティーヴィー
外語:CATV: Community Antenna TeleVision
有線を利用したテレビジョン放送のこと。
概要
ツリー状に設置された同軸ケーブル網を利用し、VHFやUHFによる放送の難視聴地域で普及した。
だが、近年は衛星放送により存続が脅かされている。ケーブルテレビともいう。
技術
周波数
帯域
アナログCATVの場合、VHFの1〜12チャンネルと、FMラジオ放送は通常の周波数帯域と同じになっているので、普通のテレビ等でそのまま受信できる。
更に、CATVは専用配線を用いているため、独自の周波数帯での放送が行なえる。そこで次の帯域を置き、多チャンネルを実現している。
スーパーハイバンドの上にはさらにUHF帯の13〜62チャンネルが続くが、UHF帯はC13〜63のどこかに移動して放送することが多く、このエリアは放送には使われていないことが多い。
周波数割り当て
一般的な例を示す。
- 10〜55MHz: ケーブルモデム用帯域
- 76〜90MHz: FMラジオ放送
- 90〜108MHz: VHF(ローバンド)‐1〜3チャンネル
- 108〜170MHz: ミッドバンド‐C13〜C22
- 170〜222MHz: VHF(ハイバンド)‐4〜12チャンネル
- 222〜470MHz: スーパーハイバンド‐C23〜C63
- 470〜770MHz : UHF‐13〜62チャンネル
チャンネル周波数
日本における周波数の一覧。単位MHzである。なお、アメリカではこれとは全く異なっている。
チャンネル | 映像周波数 | 音声周波数 |
ミッドバンド | ch13 | 109.25 | 113.75 |
ch14 | 115.25 | 119.75 |
ch15 | 121.25 | 125.75 |
ch16 | 127.25 | 131.75 |
ch17 | 133.25 | 137.75 |
ch18 | 139.25 | 143.75 |
ch19 | 145.25 | 149.75 |
ch20 | 151.25 | 155.75 |
ch21 | 157.25 | 161.75 |
ch22 | 165.25 | 169.75 |
スーパーハイバンド | ch23 | 223.25 | 227.75 |
ch24 | 229.25 | 233.75 |
ch25 | 235.25 | 239.75 |
ch26 | 241.25 | 245.75 |
ch27 | 247.25 | 251.75 |
ch28 | 253.25 | 257.75 |
ch29 | 259.25 | 263.75 |
ch30 | 265.25 | 269.75 |
ch31 | 271.25 | 275.75 |
ch32 | 277.25 | 281.75 |
ch33 | 283.25 | 287.75 |
ch34 | 289.25 | 293.75 |
ch35 | 295.25 | 299.75 |
ch36 | 301.25 | 305.75 |
ch37 | 307.25 | 311.75 |
ch38 | 313.25 | 317.75 |
ch39 | 319.25 | 323.75 |
ch40 | 325.25 | 329.75 |
ch41 | 331.25 | 335.75 |
ch42 | 337.25 | 341.75 |
ch43 | 343.25 | 347.75 |
ch44 | 349.25 | 353.75 |
ch45 | 355.25 | 359.75 |
ch46 | 361.25 | 365.75 |
ch47 | 367.25 | 371.75 |
ch48 | 373.25 | 377.75 |
ch49 | 379.25 | 383.75 |
ch50 | 385.25 | 389.75 |
ch51 | 391.25 | 395.75 |
ch52 | 397.25 | 401.75 |
ch53 | 403.25 | 407.75 |
ch54 | 409.25 | 413.75 |
ch55 | 415.25 | 419.75 |
ch56 | 421.25 | 425.75 |
ch57 | 427.25 | 431.75 |
ch58 | 433.25 | 437.75 |
ch59 | 439.25 | 443.75 |
ch60 | 445.25 | 449.75 |
ch61 | 451.25 | 455.75 |
ch62 | 457.25 | 461.75 |
ch63 | 463.25 | 467.75 |
配線
同軸ケーブルのみを用いているネットワークでは、スーパーハイバンドの450MHz程度まで、幹線に光ファイバーを用いたHFC方式では750MHz程度まで伝送できる。
プロトコル
映像放送はMPEG-2により圧縮されたディジタル画像を配信している点は欧州・日本・米国すべてで同じである。
但し、誤り訂正符号・エネルギー拡散方式・インターリーブ・伝送速度・変調方式等、その大半の仕様が異なっており、概ね、日欧と米で仕様が分裂している。
放送番組
多くの場合、衛星放送(BSやCS)放送も有料で配信していて、これに更に別料金のチャンネルを用意する放送局もある。
しかしディジタルCS/BS放送などの普及により、そうした付加価値面の魅力が半減し経営が難しくなっている。地上波受信だけであれば、基本料以外は無料が多い。
付加機能
また、このケーブルテレビ網を電話やコンピューターネットワークなどに利用する第二の電気通信ネットワークとしても注目されているが、その投資金額の問題もあり、ごく一部でしか実施されていない。
物理的にはCATVは同軸ケーブル内に450〜550MHz程度の電波を流していて、各チャンネルには6MHzの帯域が割り当てられている。
ケーブルモデムにより、これらの空きチャンネルを使うことでセンターと端末間の通信を行なっている。
帯域利用状況
0MHz 750MHz
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┃上┃ │地上波放送用帯域│ │CATV放送用帯域│ ┃下┃
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ケーブルモデムが ケーブルモデムが
使う上りチャンネル 使う下りチャンネル
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