C-QUAM
読み:スィークァム
外語:C-QUAM: Compatible QUadrature Amplitude Modulation System

 両立性直交振幅変調方式。
 中波AM放送でステレオ放送を行なうための変調方式の一つ。Motorolaにより提唱されたためMotorola方式とも呼ばれる。
 このC-QUAMという名称はMotoloraの登録商標になっている。
 日本の他にも、カナダ、オーストラリアなどで標準方式として採用されているほか、アメリカにおいても約9割の占有率を持ち、事実上の標準である。
目次

技術
 これは、アナログモデムの変調などでも使われるQAM(直交振幅変調)という変調方式が基本になっていて、現行のモノラル受信機との互換性を確保するための工夫をしたものである。

送信側
 まず、左信号(L)と右信号(R)を加算した和信号と、同じく減算した差信号を作る。
 和信号はモノラル受信機で受信した場合に再生される信号である。
 差信号にはこの電波がステレオ放送であることを示すパイロット信号(25Hzの正弦波)を重畳し、そして和信号をI、差信号をQとしてQAM変調を行なう。
 こうして得られた変調波は見かけ上普通のAM変調波に似ているが、その振幅変化は和信号とは若干異なるため、モノラル受信機で受信した場合には、歪みが出てしまう。そこで、この変調波にさらに補正のAM変調をかけ、振幅変化が和信号と同じになるようにして送信する。

受信側
 受信側では、まず最初に逆補正をかけたあとにQAM復調を行ない、和信号と差信号から左信号と右信号を再生する。モノラル受信機で受信した場合には前述のとおり和信号のみが再生される。

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