半二重
読み:はんにじゅう
外語:half duplex

 AからBの方向と、BからAの方向の情報伝送を行なえるが、同時に両方を行なうことが出来ない方式。半複信方式
目次

概要
 送信受信は互いに重ならないように交互に行なうことにより、双方向の通信を実現する。
 送信と受信を同時に行なえる全二重と比較すると、上下を対称とすれば、転送できる情報量は最大で半分しかない。
 実際にはどちらが送信するかを決めるための通信(オーバーヘッド)が必要となるため、更に実効速度は落ちる。

特徴

歴史的な半二重
 物理回線が一本しかなく、通信を多重化しない場合は必然的にこの方法になる。かつて物理回線が二本以上であっても半二重で通信をすることはあった(10BASE-Tは4本で半二重通信することがある)が、現在では物理回線が二本以上ある場合は、殆ど全二重で通信を行なっている。
 例えば、モールス符号トランシーバーはこの方式である。
 初期のアナログモデムファクシミリもこの方式だったが、現在では全二重のものが主流となっている。

多重化による全二重化
 光ファイバーの場合は、一本であっても二波長を用いることで全二重通信が可能である。このように一つの回線に複数の信号を通すことを「多重化」という。
 電話回線のように物理信号回線が一本しかないものを例にすると、大昔は半二重であったが、技術の向上によって多重化が可能となり、やがてアナログモデムやFAXは全二重化されてゆくのである。

現代の半二重
 時代は進んでも半二重は現役である。物理的に半二重に成らざるを得ない状況は、今も変わらず存在するからである。
 例えば無線LANのうち、IEEE 802.11a/b/g/n/acは全て半二重に加えて帯域共有である。
 Ethernetでは、ネットワークの組み方により全二重・半二重のどちらにもなりうる。10BASE5などが使われていた初期のEthernetでは半二重が普通だったが、スイッチングHUBの普及により現在は多くのネットワークで全二重が使われている。
 10GBASEではついに半二重が規格から消え、全二重のみとなった。このくらいの帯域にもなると、半二重通信の場合はどちらが送信するかを決定するためのオーバーヘッドが大きくなりすぎるためである。

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