パルスダイアル |
辞書:通信用語の基礎知識 固定電話技術編 (WTELFT) |
読み:パルスダイアル |
外語:pulse dial |
品詞:名詞 |
パルス回線(ダイアル回線)で用いられている、ダイアルの方法のこと。
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概要 |
電話回線には電流が流れているが、それを電話機のダイアル部分に付けられたスイッチでON/OFFし、その「回数」により交換機に電話番号を伝える。
専門的には回線閉(Break)と回線開(Make)というが、このON/OFFの信号のことを「パルス」と呼び、この方式を用いたダイアル方法をパルスダイアルと呼ぶ。
特徴 |
パルス |
電話番号の数値は、全てパルスの回数で表現される。
数字の「1」はOFF-ON 1回、「2」はOFF-ON 2回…となり、「9」はOFF-ON9回、「0」はOFF-ON 10回となっている。
黒電話などの回転式ダイアル方式では、ダイアルを回したあと、戻る時に電話回線にパルスを発行する。
技術 |
具体的には、まず受話器を取る(オフフックする)と、回線開(Make)状態となる。このとき発信者は、交換機からダイアルトーンを受信する。
続いて発信者が数字をダイアルすると、MakeとBreakのシーケンスが一定間隔で発生する。古いものでは10pps、新しいものでは倍速の20ppsである(pps=パルス毎秒)。
10pps(100msごと)の場合は、Breakが60ms続き、Makeが40ms続く。そして次の数字がダイアルされるか、電話がオンフックに戻るまでMake状態が続く。
パルスダイアルとは、高速でオンフックとオフフックを繰り返しているのと同じ動作である。
従って、受話器を置く場所にあるスイッチ(フックスイッチ)を手で素早く連打することでダイアルすることも(原理的には)可能である。
相手が話中などの理由でリダイヤルをするというような時に、フックスイッチを一瞬だけ押しても通話は正しく切断されない。
そのフックスイッチの動作が1の数字のダイアルと勘違いされる(フックフラッシュ)ためである。
また、この動作上の隙を狙ってコールウェイティングによる通話切り替えを実現している。
機構 |
実際の電話機では、次のような機構でパルスを発行している。
ボタン式の電話機の場合は、押されたボタンが何であるかを判断してパルス発生器がパルスを発生させる。この場合は20ppsのパルスが採用されることが多い(10ppsも利用できる)。
ボタン式電話機の良いところは連続で番号を入力したとき、それをきちんと記憶し、連続で番号を送るようになっていることである。
回転式ダイアルの場合は、入力したい番号の分だけダイアルを回して手を離すと、ばねの力でダイアルが(一定の速度で)回転して元の状態に戻り、その際にパルスが発生するようになっている。
1の数字の場合はダイアルを回す角度が最も小さく(パルス1回分)、0が一番大きい(パルス10回分)。
欠点 |
このダイアル方法は、0の場合で最大10回のパルスが発生することになり、10ppmの場合で1秒(20ppmで0.5秒)と非常に低速であるという問題がある。
このダイアル速度を向上させるため、トーンダイアルと呼ばれるDTMFが考案されることとなった。
パルスダイアルの名残 |
緊急通報の番号は日本では119、110、118であり、外国では911であったりする。
これはパルスダイアルで最も早く入力できる数字の1と、時間がかかる数字である8、9、0を組み合わせてできている。つまり、通報において早く入力でき、かつ入力途中で落ち着かせるという一挙両得を狙ったものである。
しかし、ボタン式電話だらけになった昨今ではこの工夫はまったく意味を成さなくなってしまった。
リンク |
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