モバイルバッテリー
読み:モバイルバッテリー
外語:mobile battery

 外出先で、スマートフォン携帯電話機などを充電できる電池製品の俗称の一つ。
目次

概要
 iPhoneはじめApple製品でも、各社のAndroid端末でも、概ね直接または変換ケーブルを介して、USBからの充電に対応している。
 このような製品には、ACアダプターからUSBとして電力を出力するものが添付されていることが多い、
 そこでモバイルバッテリーは、内蔵された充電池の電力をUSBの端子から出力するようになっており、USBケーブルを接続するだけでACアダプターを繋いだときのように充電が可能なように作られている。

特徴

コネクター
 現在のスマートフォンの潮流は、大きくiPhoneとAndroid端末の二種類である。
 端末の小型化のため端子は複数機能を共有することが多く、Android端末は一般にUSBの規格に準じ、このmicroUSB端子を充電端子としても用いている。
 一方のApple製品はそうではなく、独自の端子を使っている。これは、Apple製品の電気的な仕様が独自であるためで、簡単にいうと、急速充電に対応するためである。ただし、USBからの充電にも対応できるよう配慮がされている。

USBの電源
 USB 2.0までは4本の信号線を持つ。標準コネクターでは、1番と4番ピンが電源で、5Vが供給されている。
 USBから給電を受けて充電する装置は、この5Vを受け取って内蔵の電池を充電することになる。
 2番と3番ピンはUSBの通信線で、通常は通信にのみ用いられるが、iPhone用のACアダプターはここに一定の電圧を掛けており、識別可能となっている。iPhoneがこれを検知すると、USBの仕様を超えた約1000mA(約1A)の大電流が流れるようになっている。USB 2.0では最大500mAなので、USBからの充電は可能だが、専用充電器を使うとより高速な充電が可能ということになる。

Androidタブレット
 タブレットコンピューターは電力消費が多いため、大容量の充電池が搭載される。
 しかし供給電力が500mAでは充電に時間を要することから、Androidタブレットの多くは専用のACアダプターを用意しており、充電専用コネクターを搭載するものもある。
 USB充電に対応したAndroid端末は、USB Battery Charging仕様に準拠している。この仕様によれば、2番と3番ピンを短絡させた場合はデータ通信をせず、電力だけを供給することが定められており、一般的にACアダプターやモバイルバッテリーは、2番と3番ピンが短絡され電力のみを供給する。Android端末側は、ここが短絡しているとACアダプター等と判断し、大電流を要求する製品が多い。

電池容量
 モバイルバッテリーは、搭載されている充電池の容量が、通常はmAh、まれにmWh単位で記載されている。
 例えば、2000mAhなどと表記された製品があったとする。iPhone 5は1440mAhの電池が搭載されているので、数値を見比べるだけだと、これで1回満充電可能かと錯覚する。
 しかし、モバイルバッテリーの電力の全てが充電に使われるわけではなく、経路の途中でロスが生じるため、現実には6割、よくて7割程度しか使えない点は、留意しておく必要がある。
 リチウムイオン二次電池は3.7V前後だが、USBは5Vで送電する必要があるため、まずモバイルバッテリー内の昇圧回路でロスが生じ、電力の一部は熱として失われてしまう。またスマートフォン側でも、5Vを、充電に使う3〜4.2V程度に下げる降圧回路で再びロスが生じ、電力の一部は熱として失われてしまう。
 結果として、2000mAhの製品なら、よくて0.7掛けの1400なので、1440mAhのiPhone 5を満充電には出来ないことが分かる。

出力電流
 当初の標準的なUSBを前提とした製品では、500mAまでしか出力できない。
 近年では、Androidスマートフォンでも1000mA程度での充電に対応する機種があるため、新規に購入するのであれば、出力が大きいものを選ぶ方が良い。
 ただし、実際に受け入れる電流はスマートフォン側の対応次第である。500mAまでしか受け付けないスマートフォンに、1000mA(1A)や2000mA(2A)対応のモバイルバッテリーやACアダプターを繋いでも、充電が早くなることはない。

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