ポケットベル |
辞書:通信用語の基礎知識 無線電話サービス編 (WTELMS) |
読み:ポケットベル |
外語:pocket bell |
品詞:商品名 |
かつて、NTTドコモがサービスしていた、無線呼出サービスの旧ブランド名。
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概要 |
無線電話を用いて、用件(電話番号など)を伝える為に使われた装置である。
ポケベルは和製英語であり、かつNTTの商標であった。つまり、NTT以外が提供していた同様のサービスはポケベルではないが、しかし日本での無線呼出サービスの総称としてよく使われていた。商標を総称に使うわけにはいかない日本の業界筋は英式にページャーと呼んでいた。
2001(平成13)年1月1日からはクイックキャストとブランドを変更している。
栄枯盛衰 |
沿革 |
由来 |
日本電電公社の時代の1968(昭和43)年7月1日に、23区内をサービスエリアに加入数700台からサービスが始まった。
後に送信可能な文字が拡張され、カナやアルファベット、記号類、更には漢字までが受信できるようになった。しかし初期の頃は数字とカナ以外はサービス会社や機種により文字コードが異なる問題があり、特にNTT方式とテレメッセージ方式(STDコード)に大きく二分された。ネクストシリーズからはNTTドコモもテレメッセージ方式を採用したことで、事実上STDコードに統一された。
普及 |
当初のポケットベルは、単に呼び出すだけであり、メッセージ機能はなかった。
そんな装置ではあったが、一斉同報で大勢を呼び出せる点が便利であり、企業のほかに、マスコミや医療業界、警察などでも使われた。
やがてメッセージ表示機能に対応すると、女子高生などの間で大流行した。当初は数字だけしか送れなかったため、数字だけでの会話方法が開発されたのである。
書店には、こういった「会話方法」を解説した本などが様々売られていた。
1993(平成5)年には、ポケベルで交流する中年男性と若い女性の不倫をテーマにしたテレビドラマ「ポケベルが鳴らなくて」が放映された。当時は、老若男女がポケベルに熱中しており、その世相を色濃く反映した作品であった。
ポケベルの最盛期は1996(平成8)年で、1,078万人の利用者があったとされる。
需要の衰退 |
しかし、後のPHSや携帯電話にも同等の機能が内蔵されるようになった。その上、ポケベルは受信しかできないという点で機能的に劣勢となった。
ポケベルの誇る「鋼の着信力」だけでは携帯電話やPHSとは勝負にならず、単なるポケットベルの需要は激減した。
ゼロニード |
そこで、「基本料の安さ」を武器とする経営方針の変更(NTTドコモのゼロニード等)で生き残りをかけることになった。
受信側を格安に、送信側に高額な料金を要求するようになったが、それでもあまり普及はしなかった。
そして2004(平成16)年6月に新規受付を終了し、2005(平成17)年4月25日に2007(平成19)年3月31日をもってサービスを終了する旨を、発表した。
2007(平成19)年2月末には利用者数が14万人弱にまで落ち込み、遂にその役割を終えることになったのである。
技術 |
電話番号 |
端末の電話番号は普通の固定電話と同様である。例えば、都内での契約なら03-xxxx-xxxxが使われた。
1999(平成11)年4月1日からは020-xxx-yyyyy形式の番号がポケットベル専用に用意され、ゼロニード等の特殊な契約端末用として用いられた。
文字コード表 |
カタカナについては両者で互換があったが、英数文字や記号類が異なる。
例えば「コンニチワ」は両者共通で「2503524201」である。
なお、スタンダード(STD)コードでは、80・89は未定義である。
Y | |||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 0 | ||
X | 1 | ア | イ | ウ | エ | オ | A | B | C | D | E |
2 | カ | キ | ク | ケ | コ | F | G | H | I | J | |
3 | サ | シ | ス | セ | ソ | K | L | M | N | O | |
4 | タ | チ | ツ | テ | ト | P | Q | R | S | T | |
5 | ナ | ニ | ヌ | ネ | ノ | U | V | W | X | Y | |
6 | ハ | ヒ | フ | ヘ | ホ | Z | ? | ! | - | / | |
7 | マ | ミ | ム | メ | モ | \ | & | 時計 | 電話 | コップ | |
8 | ヤ | ( | ユ | ) | ヨ | * | # | 空白 | 〓 | 〓 | |
9 | ラ | リ | ル | レ | ロ | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | |
0 | ワ | ヲ | ン | ゛ | ゜ | 6 | 7 | 8 | 9 | 0 |
Y | |||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 0 | ||
X | 1 | ア | イ | ウ | エ | オ | A | B | C | D | 1 |
2 | カ | キ | ク | ケ | コ | E | F | G | H | 2 | |
3 | サ | シ | ス | セ | ソ | I | J | K | L | 3 | |
4 | タ | チ | ツ | テ | ト | M | N | O | P | 4 | |
5 | ナ | ニ | ヌ | ネ | ノ | Q | R | S | T | 5 | |
6 | ハ | ヒ | フ | ヘ | ホ | U | V | W | X | 6 | |
7 | マ | ミ | ム | メ | モ | Y | Z | ? | ! | 7 | |
8 | ヤ | ( | ユ | ) | ヨ | # | * | 〓 | \ | 8 | |
9 | ラ | リ | ル | レ | ロ | ↓ | ↑ | 時計 | 電話 | 9 | |
0 | ワ | ヲ | ン | ゛ | ゜ | / | - | & | 空白 | 0 |
電子メールとの連携 |
ポケットベルは、それ自体は発信機能を持たない。このため、他の通信機器との連携が不可欠である。
当時は携帯電話機は無いので、通常の電話、あるいは公衆電話からテンキーで数字入力することで送信することが想定されていた。
後には、同様に電子メールとの連携も形作られた。
以下は、在りし日の情報である。現在では使えないものも含まれるので注意
ベル呼出番号[_pppp][.b|.s][f][.00-23]
ベル呼出番号_暗証番号@page.docomonet.or.jp
本文中に、次の行を記述する。
PBNO=ベル呼出番号,暗証番号 (電話番号は市外局番から)
MSG=(英数片仮名/全角可)
RESNO=送信者の電話番号
(注意点)暗証番号が無い時はカンマ以降を全てカットすること。
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