アマチュア無線
読み:アマチュアむせん
外語:amateur radio
営利目的用途ではなく、
アマチュア業務
として(個人的趣味や技術研究の目的で)使う無線。
目次
概要
特徴
電話
資格
開局申請
アマチュア専用
電波の周波数
概要
現在の無線通信技術の発達は、アマチュア無線家によってもたらされた。
無線技術が生まれ、
電波
の有益性が知れ渡った。それにより、貴重な電波(当時は
長波
)をアマチュア無線家に使わせるのはもったいない、などとして、当時は使いものにならないと思われていた
短波
帯へアマチュア無線家は追いやられた。しかしそれによって、今度は短波が地上と電離層との反射を繰り返すことで遠く外国までも届くことが発見された。
こういった多数の功績により、今でも貴重な電波(特に短波)の多くを使用することを認められているのである。
彼らが、趣味として散財してくれたおかげで今があるといえる。
特徴
電話
電波を使って話をするので、その会話は「
電話
」という。
無線家以外が連想する電話とは違い、この「電話」の電波は暗号化されることもなく、放送のように広くあまねく放たれ、多くのアンテナへと届けられる。つまり、内緒話ということはありえないというコンセプトの違いがある。
積極的に話す人、聞くだけの人など、様々な人がおり、アマチュア無線家を総じて
ハム
という。
近年は
携帯電話機
の普及により廃れたが、震災における電話網寸断を経験し、災害にも強い無線通信として再び脚光が集まった。
資格
アマチュア無線機器を扱うためには、国家試験を受けて「アマチュア無線技士」の資格を取得する必要がある。
次の4クラスが存在する。
第一級アマチュア無線技士
第二級アマチュア無線技士
第三級アマチュア無線技士
第四級アマチュア無線技士
4級が最下級で、1級が最上級である。
それぞれの級ごとに発射できる電波の最高出力(
空中線電力
)や周波数帯(バンド)に制約などが課されている。
終身資格なので、一度取得すれば一生有効である。
開局申請
アマチュア無線技士の資格を持っているだけでは、アマチュア無線をすることはできない。
電波を使って話す前に「
アマチュア無線局
」を開局をしなければならない。
具体的には、無線機器を購入するなどして揃えた上で、各地方の総務省総合通信局(旧: 電気通信監理局)に開局申請をする。総務省による無線機器の検査に合格すると、無線局の免許状がおり、
コールサイン
が与えられる。
なお、使用する無線機器がJARD(日本アマチュア無線振興協会)の認定を受けたものであるなど、一定の条件を満たせば無線機器の検査は省略される。
アマチュア専用
アマチュア無線はあくまでも非営利目的に限って許可されるものなので、たとえ従事者資格を持っていても営利目的に使うことはできない。
営利目的のためには、専用の業務用無線を使う必要がある。
なおミニFM局などの微弱無線や
パーソナル無線
・
特定小電力トランシーバー
などはアマチュア無線の範疇には含まれない。
電波の周波数
アマチュア無線で使われる周波数帯を
アマチュアバンド
という。主要な周波数帯は次の4つで、このうち144/430MHz帯が特に人気が高い。
50MHz帯
(
6m
、
VHF
帯)
144MHz帯
(
2m
、VHF帯)
430MHz帯
(
70cm
、
UHF
帯)
1200MHz帯
(23cm、UHF帯)
1200MHz帯などは144/430MHzの混雑により新たに作られたものだが、昨今は携帯電話などの普及により身近な連絡などの使用が減り、アマチュア無線自体の需要が減少しているため、地域差もあるが144/430MHzの混雑も解消傾向である。
各級ごとの使用可能な周波数帯と
空中線電力
は電波法施行令の第三条第3項に定めがあり、次のとおりである。
第四級アマチュア無線技士
空中線電力10W以下(30MHzを超えるものは20W以下)で、アマチュアバンドのうち、8MHz以下および21MHz以上での運用が可能。
第三級アマチュア無線技士
空中線電力50W以下で、アマチュバンドのうち、8MHz以下および18MHz以上での運用が可能。
第二級アマチュア無線技士
空中線電力200W以下で、全アマチュバンドでの運用が可能。
第一級アマチュア無線技士
全アマチュバンドでの運用が可能。
電波法および電波法施行令では空中線電力の上限はないが、無線局の免許で実際に建てられる上限は総合通信局の管轄となる1kW(1000W)以下である。これ以上は総務省本省の担当となるが、これまで電話目的で許可されたことはただの一度も無い。
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