Zip
読み:ジップ
外語:Zip

 アイオメガ(Iomega)社の開発した、独自のリバームブルディスク媒体の一つ。
目次

概要

仕様
 磁気ディスクであるが、従来のフロッピーディスクとは非互換である。
 メディア裏の左上部分に鏡が付いていて、3.5インチフロッピーディスクが挿入されても誤認識しないようになっている。
 

技術
 メタルテープと同じ富士写真フイルム(現・富士フイルム)のATOMM技術を用い、3.7インチ(9.40cm)の大きさで100Mバイトの記憶容量が得られる。
 1998(平成10)年末には後継の250Mバイトの容量を持つもの、2002(平成14)年9月には750Mバイトの容量を持つものも発表されている。
 100Mバイトのものは、最大線記録密度46Kビット/インチ、トラック密度2118トラック/インチ、回転数2945rpmとなっている。

特徴

人気
 発表当初、リムーバブルメディアとしては価格が安く、当時のハードディスクドライブ並(最大転送速度は1.4Mバイト/秒(1Mバイト/cBeat))の速度が得られた。
 また、BIOSが対応していればフロッピーディスクのように起動ディスク(ブートメディア)として利用できるなどの利点があったため、海外で売れすぎて日本発売が遅れたという逸話もある。

採用例
 電子楽器の世界ではフロッピーディスクドライブの代わりにZipドライブを内蔵したものも登場し、パーソナルコンピューターでもリムーバブルメディアにZipの使用が推奨されていた時期があった。
 しかし当時の日本では、パーソナルコンピューター向けとしてはMOが充分に普及していたため、なかなか売れなかった。そして時代は流れ、リムーバブルメディアの主流はCD-R/RW、そしてDVD-R/RWへと移り変わっていった。
 またちょっとしたデータの移動はUSBメモリーが利用されるようになったため、Zipがリムーバブルディスクに与えた貢献度は高かったものの、製品としては滅び行く運命にある。

現状
 日本国内では、既にZipドライブは販売終了であり、中古品等以外の入手は出来ない。
 媒体も、富士写真フイルム(現・富士フイルム)は2005(平成17)年9月12日に在庫限りで販売終了と案内しており、既に製造・販売はされていない。店頭在庫や中古品などを探す必要がある。

ライトプロテクト
 フロッピーディスクとは異なりライトプロテクトノッチが無く、代わりにソフトウェアでライトプロテクトの設定を行なう。
 このために、すぐにライトプロテクトの設定ができなかったりするなど、不便な点も多い。

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