Linuxディストリビューションの一つ。Debian系ディストリビューションに属し、そしてUbuntu系ディストリビューショングループの代表である。
2004(平成16)年に、Debian GNU/Linuxから派生して誕生した。
これを著している現在、急激に人気が高まっているディストリビューションである。
インストールCDから簡単にインストールできるほか、CDからそのまま起動することも可能。そして、導入後、面倒なことをしなくてもすぐに使える簡潔な点が人気と見られる。
LANはもちろん、無線LANまで無設定で動作し、サスペンド機能も設定不要。メディアプレイヤーでmp3など様々なものを再生可能で、更には(法的には恐らくアウトだが)DVD再生も対応する。
また、元がDebian GNU/Linuxだけに、パッケージの数も異常なほどあり、様々な用途に使うことができる。
標準のGUIはGNOMEである。その他、Ubuntu 11.10時点で含まれるUIは、KDE、Xfce、LXDE、GNOME Shellがあり、他のものを使用することもできる。
シェルインターフェイスは、Ubuntu 11.04以降はUnityが標準となり、GNOME標準である従来のGNOMEパネルを置き換えた。Unityはハイスペックマシン向けのUIで、OpenGLを使用する。
低スペックマシン向けには、Qtフレームワークを使うUnity 2Dが用意されている。
もともと、標準のUbuntuのデスクトップはGNOMEだったため、これをKDEに変えたKubuntu、Xfceに変えたXubuntuなどのディストリビューションもある。
個性的な非公式ディストリビューションも数多くあるが、「Ichthux」や「Ubuntu Christian Edition」などクリスチャン向けなるものも存在する。
Ubuntuは、半年毎の定期リリースなどを公約としている。
リリース日は、GNOMEの約一ヶ月後に設定されていた。またGNOMEはX.orgの約一ヶ月後にリリースされているため、都合、UbuntuはX.orgの約2ヶ月後にリリースされていたことになる。Ubuntuはそのリリースごとに常に最新のGNOMEとX.orgを同梱することができた。が、現在はGNOMEからUnityに主力を変えてしまったため、最新のGNOMEについては売りではなくなったようである。
バージョンには、バージョン番号とコードネームが付けられている。また7.10まではテスト版にもコードネームがあった。
定期的にリリースされるため、バージョン番号は年と月から機械的に付けられる。例えば、2012(平成24)年4月にリリースされた版は、Ubuntu 12.04となる。このバージョンのコードネームは、Precise Pangolinだった。
また2年ごとにLTS(Long Term Support、長期サポート)版がリリースされており、ちょうどUbuntu 12.04はこのLTS版にあたる。
遡れば、2004(平成16)年10月に登場した最初のバージョンはUbuntu 4.10ということになる。
デスクトップ版およびネットブック版とサーバー版が存在し、両者で若干仕様が異なる。
公式では、デスクトップ版およびネットブック版はIntel x86、AMD64、ARMに対応し、サーバー版はIntel x86、AMD64、SPARCに対応する。但し、SPARCの対応はUbuntu 8.04以降で無くなった。
Ubuntu 7.04までは公式でPowerPCに対応していたが、以降は公式のサポートがなくなり、非公式なポートとなった。
またその他非公式なものに、IA-64(Itanium)版や、PlayStation 3版の存在も確認されている。
Ubuntu 12.04で標準的にインストールされる代表アプリは次の通り。
Ubuntu 12.04で端末フォントとして使用できるもの(順不同)。
- Courier 10 Pitch
- DejaVu Sans Mono
- FreeMono
- Liberation Mono
- Monospace
- Nimbus Mono L
- Tlwg Typo
- TlwgMono
- Ubuntu Mono
- IPAフォント系
- IPAフォント(IPAゴシック/IPA明朝)
- Takaoフォント(Takaoゴシック/Takao明朝)
リリース版のコードネームを併記。但しLTS版にあるメンテナンスリリースのコードネームはすべて同じなので省略する。リリース日は原則としてイギリス時間。
- Ubuntu 4.10 (Warty Warthog) ‐ 2004(平成16)年10月20日
- Ubuntu 5.04 (Hoary Hedgehog) ‐ 2005(平成17)年4月8日
- Ubuntu 5.10 (Breezy Badger) ‐ 2005(平成17)年10月13日
- Ubuntu 6.06 LTS (Dapper Drake)
- Ubuntu 6.06.0 LTS ‐ 2006(平成18)年6月1日
- Ubuntu 6.06.1 LTS ‐ 2006(平成18)年8月1日
- Ubuntu 6.06.2 LTS ‐ 2008(平成20)年1月22日
- Ubuntu 6.10 (Edgy Eft) ‐ 2006(平成18)年10月26日
- Ubuntu 7.04 (Feisty Fawn) ‐ 2007(平成19)年4月19日
- Ubuntu 7.10 (Gutsy Gibbon) ‐ 2007(平成19)年10月18日
- Ubuntu 8.04 LTS (Hardy Heron)
- Ubuntu 8.04.0 LTS ‐ 2008(平成20)年4月24日
- Ubuntu 8.04.1 LTS ‐ 2008(平成20)年7月3日
- Ubuntu 8.04.2 LTS ‐ 2009(平成21)年1月22日
- Ubuntu 8.04.3 LTS ‐ 2009(平成21)年7月16日
- Ubuntu 8.04.4 LTS ‐ 2010(平成22)年1月29日
- Ubuntu 8.10 (Intrepid Ibex) ‐ 2008(平成20)年10月27日
- Ubuntu 9.04 (Jaunty Jackalope) ‐ 2009(平成21)年4月23日
- Ubuntu 9.10 (Karmic Koala) ‐ 2009(平成21)年10月29日
- Ubuntu 10.04 LTS (Lucid Lynx)
- Ubuntu 10.04.0 LTS ‐ 2010(平成22)年4月29日
- Ubuntu 10.04.1 LTS ‐ 2010(平成22)年8月17日
- Ubuntu 10.04.2 LTS ‐ 2011(平成23)年2月17日
- Ubuntu 10.04.3 LTS ‐ 2011(平成23)年7月21日
- Ubuntu 10.04.4 LTS ‐ 2012(平成24)年2月16日
- Ubuntu 10.10 (Maverick Meerkat) ‐ 2010(平成22)年10月10日
- Ubuntu 11.04 (Natty Narwhal) ‐ 2011(平成23)年4月28日
- Ubuntu 11.10 (Oneiric Ocelot) ‐ 2011(平成23)年10月13日
- Ubuntu 12.04 LTS (Precise Pangolin) ‐ 2012(平成24)年5月3日
- Ubuntu 12.04.1 LTS ‐ 2012(平成24)年8月23日
- Ubuntu 12.04.2 LTS ‐ 2013(平成25)年2月14日
- Ubuntu 12.04.3 LTS ‐ 2013(平成25)年8月23日
- Ubuntu 12.04.4 LTS ‐ 2014(平成26)年1月24日
- Ubuntu 12.04.5 LTS ‐ 2014(平成26)年8月8日
- Ubuntu 12.10 (Quantal Quetzal) ‐ 2012(平成24)年10月18日
- Ubuntu 13.04 (Raring Ringtail) ‐ 2013(平成25)年4月25日
- Ubuntu 13.10 (Saucy Salamander) ‐ 2013(平成25)年10月17日
- Ubuntu 14.04 LTS (Trusty Tahr) ‐ 2014(平成26)年4月17日
- Ubuntu 14.04.1 LTS ‐ 2014(平成26)年7月
- Ubuntu 14.04.2 LTS ‐ 2015(平成27)年2月
- Ubuntu 14.10 (Utopic Unicorn) ‐ 2014(平成26)年10月23日
- Ubuntu 15.04 (Vivid Vervet) ‐ 2015(平成27)年4月23日
- Ubuntu 15.10 (Wily Werewolf) ‐ 2015(平成27)年10月22日
以下は今後の予定
- Ubuntu 16.04 ‐ 2016(平成28)年4月
Ubuntuは2004(平成16)年を4とする、西暦に合わせたメジャーバージョン番号を用いている。従って、毎年メジャーバージョンが上がることになる。
この理由により「2104年問題」を抱えているとの指摘がある。もし下二桁であるなら2104年にはUbuntu 4になってしまい、古いものと重なってしまうからである。
つまるところ、それ以前に2100年問題を抱えていることになる。2100年になった時点で00.04になるのか100.04になるのかどうかは、現時点では定かではない。
- Ubuntu: Ubuntu系の代表
- Edubuntu: Ubuntuの教育関係者向けのバージョン。デスクトップはGNOME
- Kubuntu: Ubuntuをベースに、GNOMEの代わりにKDEを採用した
- Gobuntu: Ubuntuをベースに、フリーソフトウェアだけでかためたもの
- Xubuntu: Ubuntuをベースに、GNOMEの代わりにXFceを採用した軽量版
このほか、小型モバイル機器向けの「Ubuntu Mobile and Embedded Edition」をリリースする旨を発表している。
- Ecolinux: XFceを採用した、日本の軽量版Ubuntu
- Elbuntu: Enlightenmentウィンドウマネージャーを採用したUbuntu
- Fluxbuntu: Fluxboxウィンドウマネージャーを採用した軽量Linux
- Freespire: Linspireを、コミュニティーベースで開発したLinux
- Goobuntu: Google仕様Ubuntuで、社内のデスクトップで利用する非公開版。GNOMEとのこと
- gOS: 米の200ドルパソコン「Everex Green gPC TC2502」で採用されたOS。OS X風
- Ichthux: クリスチャン向けのKubuntu
- Karoshi Linux
- LiMux - Die IT-Evolution: ドイツ ミュンヘン市議会で導入されたカスタム版のUbuntu
- Linux Mint: 上品(エレガント)、最新、快適を標榜するLinux
- nUbuntu: ネットワークやサーバーテストツールを中心にパッケージを再構成したUbuntu
- Ubuntu Christian Edition(Ubuntu CE): クリスチャン向けのUbuntu
- Ubuntu Lite: 非力なレガシーシステム用のUbuntu
- Ubuntu Studio: マルチメディア編集/作成用のUbuntuフレーバー
- zUbuntu: IBM eServer zSeriesで稼動するUbuntu
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