T2Kオープンスパコン
読み:ティートゥーケイ-オープンスパコン
外語:T2K open supercomputer

 筑波大学東京大学京都大学の三大学が共同で開発した、PCクラスター型の分散並列型スーパーコンピューターである。
 T2Kの名は、各大学の頭文字から命名されている。
目次

概要
 三校の電子計算機の更新時期がほぼ一致したため、共同開発となった。三校共同開発だが、計算能力については可変となっている。
 このうち東大のものが最大規模で、ドイツ時間2008(平成20)年6月18日発表のTOP500で、世界16位にランクインした。
 遺伝子情報分析、複雑な化学反応の模擬計算等をより高速に処理するとしている。

特徴

構成概要
 各ノードのアーキテクチャーは次の通り。
 ノード間ネットワークの仕様は次の通り。

基本情報
 これは、最高性能となる東京大学に設置された計算機のもの。768ノードでの性能。

仕様
 設計にあたり、公開された仕様を広く採用した。
 プロセッサーは、具体的にはAMDのクアッドコアプロセッサー、Opteronを使い、この16ウェイ以上でSMP運用する「PCクラスターシステム」である。
 オペレーティングシステム(OS)にはパーソナルコンピューター用として使われているLinuxを採用。
 ノード間の接続は、実際には10GbEが使われている。

東京大学
 東京大学のT2Kオープンスパコンが最速で、発表時点で、国内最高速の電子計算機である。
 開発は日立製作所で、PCクラスターシステム向けハイパフォーマンスサーバー「HA8000-tc/RS425」を採用。2Uの筐体に4個のクアッドコアプロセッサー、AMD Opteron 8356(クロック周波数2.3GHz)を搭載し、ノード演算処理性能は147.2GFLOPSである。
 納入システムは4つのクラスターシステム(512ノード、256ノード、128ノード、56ノード)から構成される。各クラスターシステム内はPCI Express ×8に接続するMyricomのNIC「Myri-10G」を用い、この10GbEが多段クロスバネットワークで接続される。
 952ノードでの論理ピーク演算処理性能は140TFLOPSである。
 発表では、512ノードと256ノードの二つのクラスターシステムを10GbEで接続して合計768ノードのシステムとし、LINPACK性能では82.98TFLOPSを達成したとされた。

京都大学
 京都大学のT2Kオープンスパコンは東京大学と同じ仕様だが、規模はやや小さい。
 開発は富士通で、テクニカルコンピューティングサーバー 「HX600」を採用。2Uの筐体に4個のクアッドコアプロセッサー、AMD Opteron 8300シリーズ(クロック周波数2.3GHz)を搭載し、ノード演算処理性能は147GFLOPSである。
 本機のノード間接続はInfiniBand DDR ×4である。ネットワークはGbE(1000BASE-T)であり、OSはRed Hat Enterprise Linux V4である。
 納入システムは416台のクラスターとなっており、論理ピーク演算処理性能61.2TFLOPSに対し、LINPACKベンチマークで50.5TFLOPSを達成したと発表された。
 発表によると、納入物品はこの他に、大規模SMPクラスター演算部としてUNIXサーバー「SPARC Enterprise M9000」が5台(理論ピーク演算処理性能5.7TFLOPS、OSはSolaris)と、ストレージシステムとして「ETERNUS2000」が32台(総容量883Tバイト)が含まれている。

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