SKK
読み:エスケイケイ
外語:SKK: Simple Kana to Kanji conversion program

 UNIX用の日本語入力システムの一つ。
目次

概要
 佐藤雅彦(現京都大学教授)によってオリジナルが開発され、現在はSKK Openlabにて開発が継続されている、GPLのフリーソフトウェアである。
 元々はMuleのEmacs Lispで動作するものだったが、やがて辞書アクセス部がサーバーskkservとして分離され、今に至っている。

特徴

仕様
 UNIX用に限らず、これまでにあまた開発されてきた日本語入力システムの中でも一、二を争うほど特異な仕様を特徴としており、中でも際立っているのが、一切の文法解析をしない点である。
 コンピューターによる文節の切り分け精度の向上に期待せず、ユーザーが明示的に変換すべき位置を指定することによって正確な変換を行なう。
 日本語の変換において最も難しい処理は、実は平仮名→漢字ではなく、平仮名の羅列から単語を切り出す処理、つまり「形態素解析」なのである。SKKは、この形態素解析を一切行なわないという割り切りのシステムである。
 文法的な知識を使用しない変換アルゴリズムを特徴としており、方言・文語・口語・古語・現代語のいずれについても同様に効率的な変換が行なえる。

C/S
 クライアント部分は今もEmacs Lispで書かれており、skkservという変換サーバーと通信することで変換を行なう。
 なお、ネットワーク障害が発生したなどでサーバーと交信できない場合は、辞書をEmacs内部に読み込み、Emacs自身の検索機能を利用することで自力で動作することも可能である。
 当初はEmacs専用だったが、現在ではX Window System上のアプリケーション全般で利用できる変換クライアント(skkinput)や、Windows用のIMEも開発されている。

変換

変換方法
 変換方法の概略は、かな文字をローマ字として入力、漢字にすべき箇所ではその最初の文字を大文字で入力することで変換開始位置を明確にし、終了位置で[SPC]を入力することで変換する。
 送りがなのある語の場合は[SPC]ではなく、送りがなの最初の文字も大文字で入力することで変換終了位置を示す。
 カタカナは、かなを入力したあとで[q]を入力するか、入力前に[q]を押すことでひらがなとカタカナのモードを切り替える。
 変換できない単語に遭遇すると、自動的に単語登録モードに移行することも特徴の一つであり、ユーザーが辞書を育てる過程を支援している。
 Shiftキーに小指を駆使するため、使いすぎると指を痛めるらしい。

入力例
 アスカ様萌え萌え。
 qasukaqSama[SPC]MoEMoE.

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