SDメモリーカード
読み:エスディーメモリーカード
外語:SD memory card: Secure Digital memory card
松下電器産業
(現・
パナソニック
)、米SanDisk、
東芝
3社により共同開発された
メモリーカード
規格。
目次
概要
互換
用途等
規格団体
特徴
寸法
容量
機能
パソコンとのアクセス性
関連仕様
後継規格
サイズ規格
拡張規格
インターフェイス
端子
物理層規格
動作
ピン
概要
互換
SDメモリーカードは、
マルチメディアカード
(MMC)の拡張規格として開発された、上位互換仕様である。
マルチメディアカードに2ピン追加し、信号ピンの使い方を変更することで高速化した。
厚みが異なるが、従来の7ピンの位置は変更されていないため、両方のカードに対応させることも容易。このため、SDメモリーカード用スロットでMMCを利用することができる。媒体の厚みの関係から、その逆はできない。
用途等
メモリーカードとしては、これを著している時点で最も普及しているタイプである。
デジタルカメラ
、ビデオカメラ、
携帯電話機
、
パーソナルコンピューター
などで広く使われている。
規格団体
SD Association(SDアソシエーション)が設立されている。
特徴
寸法
サイズは32mm×24mm×2.1mm。約2g。
マルチメディアカードとの大きな違いは厚みである。
容量
最初のSDカードは、仕様上では最大2Giバイトまで対応可能だった。実際には規格外だが4Giバイトの製品も市販されている。
これ以上の容量は、後継となるSDHCやSDXCで導入されている。
機能
誤消去防止のための
ライトプロテクト
スイッチと、
著作権
保護機能(CPRM: Content Protection for Recordable Media)を持つ。
著作権保護機能は
SDMI
規格のほか、Microsoftの著作権保護対応転送技術WMDM(Windows Media Device Manager)にも対応する。
パソコンとのアクセス性
USBなどに接続して用いるメモリーカードリーダーが様々に市販されている。
関連仕様
後継規格
大容量化した後継カードは、次の通り。
SDHC
(SDメモリーカードVer 2.00) 32Giバイトまでを規定したもの
SDXC
(SDメモリーカードVer 3.01) exFAT採用で最大2Tiバイトまで対応したもの
これらは同時に高速化も行なわれているが、物理層の拡張(高速化)は、SDHC/SDXCの拡張の本題ではない。
また、ピン数を増やすなどの拡張も含めた高速化規格に次のようなものがある。
UHS
UHS-I
(SDメモリーカードVer 3.01)
UHS-II
(SDメモリーカードVer 4.00)
サイズ規格
小型規格を含めたSDカードの規格は、次の通り。
標準サイズ (9ピン)
miniSD
(11ピン)
miniSDHC
miniSDXC
microSD
(8ピン)
microSDHC
microSDXC
mini/microについては寸法の規格であり、それぞれについてSDHC/SDXCとすることが可能。
miniSDは失敗作で、2ピン増えているが両方とも予備。遂に使われる日は来なかった。microSDが現在よく使われているもので、1ピン減っているが、2本あった
VSS
(電源ピン)が1本になったものである。
拡張規格
Embedded SD
SDIO
インターフェイス
端子
コネクター
は裏側に付けられた9ピン。マルチメディアカードより2ピン増えており、一番外側のそれぞれが追加ピンになる。見て分かるように、いかにも取ってつけたような配置になっているのが、後からの拡張であることを裏付けている。
転送速度は2〜20Mバイト/秒程度。
インターフェイス
はシンプルな
シリアルバスインターフェイス
。
物理層規格
SDカードの歴史の中で、次のようなバス物理仕様が作られた。
SDR12(最大25MHz) (SDメモリーカードVer 1.01)
SDR25(最大50MHz) (SDメモリーカードVer 2.00)
UHS-I
SDR50(最大100MHz) (SDメモリーカードVer SDHC 3.01)
SDR104(最大208MHz) (SDメモリーカードVer SDHC 3.01)
UHS-II
(SDHC/SDXC)
156Mバイト/秒 (SDメモリーカードVer 4.00)
312Mバイト/秒 (SDメモリーカードVer 4.00)
最初のSDメモリーカードの物理層規格(Physical Layer Spec)はVer 1.01だが、これはデータ通信クロック(SDCLK)が最大25MHzだった。
Ver 1.10で倍速の50MHzのHigh Speedの規定が加わるが、一般的にはVer 2.00のHigh Capacityカード(SDHC)と共に、2.00から高速化されたものとして扱われている。
動作
様々な動作モードがあり、モードごとにピンの使い方が若干違う。
MMCモードでは、カードごとに固有の相対アドレス(RCA)が割り当てられ、そのRCAを指定してカードを選択しアクセスする。クロック、コマンド、データの3線で通信し、データとコマンドは双方向である。
SPIモードでは、CS(チップセレクト)
信号線
でカードを選択する。チップセレクト、データイン、データアウト、クロックの4線で通信するが、全て単方向である。
1ビットSD/4ビットSDの各モードでは、クロック、コマンド、データ[0-3]の3線または6線で通信する。
ピン
裏側、切り欠きから反対方向に向かって順に、9番、1番〜8番、である。9番と8番がSDで追加されたピンである。追加ピンはいずれもデータ信号用ピンである。
MMCは
信号線
が1チャンネルしかないが、SDではMMCの7番ピン(データ信号)と1番ピン(MMCでは予備)と、この8番・9番の計4チャンネルを使い、高速な転送を実現する。
ピン
名称
機能
9
Data 2
データ2
1
Data 3
データ3
2
Command
コマンド
3
Vss
グラウンド
4
Vdd
電源
5
Clock
クロック
6
Vss
グラウンド
7
Data 0
データ0
8
Data 1
データ1
再検索