Mozilla Firefox 10
読み:モジラ-ファイアーフォックス-じゅう
外語:Mozilla Firefox 10
Mozilla Foundation
が開発した
Webブラウザー
、
Mozilla Firefox
のバージョン10。
目次
概要
特徴
沿革
ESR(Extended Support Release)
ユーザー向け変更点
Web開発者向け変更点
概要
Mozilla Firefox 9
の後継として2012(平成24)年1月31日に公開されたWebブラウザーである。斬新な新機能はないが、使い勝手の向上が図られた。
レンダリングエンジンであるGeckoはバージョン10.0である。
また、Firefox 9でJavaScriptエンジンの高速化として
型推論
(Type Inference)技術が導入されたため無用となっていたJITエンジンの
TraceMonkey
は、このバージョンから完全に削除された。
特徴
沿革
Mozilla Firefox 10.0 ‐ Gecko 10.0 (2012(平成24)年1月31日)
Mozilla Firefox 10.0.1 ‐ 1件の脆弱性を修正、Gecko 10.0.1 (2012(平成24)年2月10日)
Mozilla Firefox 10.0.2 ‐ 1件の脆弱性を修正、Gecko 10.0.2 (2012(平成24)年2月16日)
10.0.2をもってreleaseチャンネルでのサポートは終了した。10.0.3に相当する次の版は、11.0である。Mobile版は10.0.5が最後で、次はFirefox for Android 14.0である。
Mozilla Firefox 10.0.3 ESR/Mobile ‐ (2012(平成24)年3月13日)
Mozilla Firefox 10.0.4 ESR/Mobile ‐ (2012(平成24)年4月24日)
Mozilla Firefox 10.0.5 ESR/Mobile ‐ (2012(平成24)年6月5日)
Mozilla Firefox 10.0.6 ESR ‐ (2012(平成24)年7月17日)
Mozilla Firefox 10.0.7 ESR ‐ (2012(平成24)年8月28日)
Mozilla Firefox 10.0.8 ESR ‐ (2012(平成24)年10月9日)
Mozilla Firefox 10.0.9 ESR ‐ (2012(平成24)年10月12日)
Mozilla Firefox 10.0.10 ESR ‐ (2012(平成24)年10月26日)
Mozilla Firefox 10.0.11 ESR ‐ (2012(平成24)年11月20日)
Mozilla Firefox 10.0.12 ESR ‐ (2013(平成25)年1月8日)
ESR版はFirefox 18と共にリリースされた10.0.12が最後で、ESRの後継はFirefox 17(ESR17)である。
ESR(Extended Support Release)
Firefox 5以降に採用された
高速リリースサイクル
のため、ソフトウェアの導入を一括管理している企業や公共機関等で導入困難になったとする問題への対応措置が開始されたバージョン。
この期に及んでもFirefox 3.6の更新が続けられていたが、そろそろ新しいバージョンへの移行を促したいという思惑があったのだろう。
ESR(Extended Support Release)は約1年間のサポートがある安定バージョンであり、その最初のESRがFirefox 10となった。10.0から10.0.10までの1年間の更新が予定されており、次のESRはFirefox 17.0がESR17として、10.0.9と同じ頃にリリースされる予定である。
ユーザー向け変更点
アドオンのバージョン互換性
Firefoxバージョンアップ時のアドオンの互換性確認を柔軟にした。
アドオンは、利用可能なバージョンの設定が存在する。それ以外では動作させない機能があったが、このため動作するのに使えない利便の良い(しかしもう更新されていない)アドオンというものが発生した。
現在、Firefoxには
バージョンに依存しないAPI
も提供されており、バージョンが上がっても動作しなくなるような問題は生じにくくなっていることから、コードの自動検出などにより、実態に沿った形で互換性確認をするよう改められた。
「進む」ボタンを消す機能
標準的なUIでは、ロケーションバーの左側に「戻る」ボタンと「進む」ボタンがある。
このうち、「戻る」ボタンは利用頻度が高いが、「進む」ボタンは利用頻度が低いらしい。
Firefox 3からは、「戻る」ボタンが「進む」ボタンより大きくなったが、Firefox 10からはついに「進む」ボタンが無効な時には表示されなくなった。
HTML5ビデオに関する新機能
HTML5ビデオの
右クリック
メニューに、二つの新機能が追加された。
現在のフレームを静止画として保存する「スナップショットを保存」メニュー
動画のサイズ、音声チャンネル数やサンプルレート、フレーム数などを表示する「統計情報を表示」メニュー
動画でも、静止画と同様に右クリックメニューが使える。
Web開発者向け変更点
インスペクタ
HTMLの各要素を調査し、属性やスタイルをリアルタイム編集できる開発者ツール「インスペクタ」が追加された。
CSS 3D Transform対応
CSSの3D Transformに対応する。
これにより、CSSでスタイルを指定するだけで、簡単に3次元コンテンツが利用可能となる。
またJavaScriptと組み合わせれば3次元アニメーションも実現可能。
WebGLのアンチエイリアス
WebGLでアンチエイリアスに対応。
フルスクリーンAPI
W3Cで仕様策定中のフルスクリーンAPIに対応。
実装自体はFirefox 9からあるが、標準設定では機能OFFとなっていた。
mouseenter/mouseleaveイベント対応
マウスポインターが要素から出入りする時に発生するイベントである。
元々はInternet Explorer独自仕様だったが、DOM Level 3 Eventとして標準化される運びとなったため、これを輸入することとなった。
dataURLでのWorker生成
別スレッドで実行させたいスクリプトは、URLをWorker()に渡してワーカースレッドを生成する。
この場合、単一ファイルのHTMLではワーカースレッドが使えないということになる。
Firefox 10から、dataURLをWorker()に渡してスレッドを作ることが可能になった。
Page Visibility API
ブラウザーが最小化された場合やタブを切り替えられた場合でWebページが表示されない状態となった場合、アニメーションやビデオ再生を停止するのが望ましい場合がある。
これを簡潔に可能にするように、document.hiddenおよびdocument.visibilityStatusプロパティにより、ページが表示中かどうかを判断できるPage Visibility APIに対応した。
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