CSS (スクランブル)
読み:スィーエスエス
外語:CSS: Content Scrambling System

 DVD-Videoで採用された、光ディスク向けの著作権保護規格の一つ。
目次

概要
 CSS自体はコピープロテクトではなく、認証機器での再生をさせるために付けられた、アクセス制御の技術である。DVDの実際のコピーガードはマクロビジョンと考えられる。
 こうして、DVDのコンテンツデータはスクランブルが掛けられている。この規格および実装の名がCSSである。
 暗号化というにはあまりにも拙いその技術ゆえ、スクランブルと呼ばれているのだと思われる。

特徴
 2種類のバージョンがあり、それぞれで暗号化の鍵長は次のとおりである。
 CSS1の40ビット鍵は、1995(平成7)年当時のアメリカの暗号輸出規制の限界であったが、あまりにも脆弱であった。
 しかも、Xing TechnologiesのソフトウェアDVDプレイヤー「XingDVD」の失態のため、程なくしてクラックされ、CSS1の存在は有名無実化された。
 そのためCSS2では鍵長を大きくした上、一部の鍵が発覚してしまっても、それを無効化出来るような仕組みが施されている。

暗号の崩壊後のDVDの好調

売れるDVD
 さて、著作権保護の重要性を考える前に、このようにDVDの暗号化は既にクラックされており、内容の吸い出しも殆ど自在である。
 実際に、P2Pに、DVDから吸い出されたと思われるデータは流れ、明らかな著作権侵害は、今も行なわれている。この行為を擁護することは何人にも出来るものではない。
 しかしながら、このような現状にも関わらず、DVDは、大変によく売れ、余裕で商売が成り立っている。この現状を良く鑑みる必要がある。
 つまり、CSS1など無いに等しいことを理解していてもなお、皆DVDを、お金を出して購入しているわけである。

DVDが売れる前
 DVDは、以前は売れていなかった。しかし、CSS1が破られ、暗号化が突破可能と判明してから、DVDは売上が伸び始めたのである。
 この理由は今も明らかではないが、可能性としては、次の二説があると思われる。
  1. 単純にプレイヤー等が安価になる等し、普及しはじめた
  2. バックアップ可能と分かったため安心して購入できるようになったアーリーアダプター(初期に購入し、もって普及率を上げる人たち)が飛びついた。
 いずれにせよ、普及率を一定以上に上げる人間がいなければ、プレイヤーも安価にはしづらく、また対応するソフトウェア(DVDで発売される映画やアニメ等)も揃わないことを考えれば、アーリーアダプターの存在を無視することは出来ないだろう。

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