Betamax
読み:ベータマックス
外語:Betamax
ソニー
提唱のビデオテープおよび
ビデオデッキ
の規格。
VHS
登場の1年前、1975(昭和50)年5月に発売された。通称「ベータ」。
目次
概要
特徴
テープ速度
種類
βI
βIS・SHB
テープの長さ
概要
家庭用VTRとしてリードしたが、後出の
VHS
に追い越された。
VHSが主流となった1980年代にはコンパクトなカセットテープと画質を売りにしていた。βの上位互換として
EDBeta
と呼ばれる規格もあった。
しかし、結果としてソニー一社のみではVHSには勝てず、ソニー自体も
8mm
/
Hi8
や
DVC
へと主力を移した。
そして2002(平成14)年に最後の2機種「EDV-9000」(EDBetaデッキ)および「SL-200D」(ハイバンドβデッキ)の生産完了をもって、市場から姿を消した。最終的な累計出荷台数は約400万台(全世界では約1800万台)。
そして、ベータビデオカセットも、2016(平成28)年3月をもって出荷終了となった。
特徴
テープ速度
種類
三種類のテープ速度規格があり、数字が倍速数を表わしていた。
βI (4.00cm/秒)
βII (2.00cm/秒)
βIII (1.33cm/秒)
秒あたりで使用する長さが多いほど、録画時間が短くなる代わりに画質は良くなる。言い換えれば、録画時間が長くなる代わりに画質が悪くなる。
つまり、(短時間高画質)βI‐βII‐βIII(長時間低画質)である。
βI
「βI」は更に細かく3種類に分類されている。
βI (標準)
βIS (高画質なモード)
βIS・SHB (最高画質)
「βI」が標準で、「βIS」はβでも高画質なモードに相当する。だが、「βIS」で録画するためには高級なビデオデッキが必要になる。再生のみなら、比較的新しいデッキであれば安価なものも対応しているものが多かった。
また、最高画質の「βIS・SHB」は、SL-HF3000に初めて搭載されたものの、他には殆ど搭載されていない。
βIS・SHB
「βIS・SHB」は、
輝度信号
変調キャリア周波数を
ハイバンドβ
よりも更に400kHz高くしたもので、理論上300本程度の
水平解像度
が期待出来たが、実質的には280本程度であった。
これは、
NTSC
における300本の壁というものがあるためで、NTSCでは
色度信号
と
輝度信号
が多重している関係でカラーサブキャリアを3.58MHzに縦走させている。そのためその妨害除去の為にトラップを入れるのが普通で、その近傍は利用出来ない。
「βIS・SHB」では帯域が3.8MHzになっていたため、大きく影響を受ける格好となった。
なお、理論解像度は輝度信号帯域×80でおおまかな計算が出来る。
テープの長さ
テープの名称は、録画時間で示すVHSに対して、βは長さで示すという違いがあった。
これは、元々βIから始まったものが、記録時間的不利を解消する為にβIIを標準としてβIを見捨てたためである。単位は
フィート
。これはお世辞にも分かりやすいとは言えず、Betamax衰退の原因の一つだったという考え方もある。
代表的なテープにおけるβIIでの記録時間は次の通り。
L125=30分
L165=40分
L185=45分
L250=60分
L330=80分
L370=90分
L500=120分
L660=150分
L750=180分
L830=200分
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