4.3BSD Net/2
読み:よんてんさんビーエスディー-ネットトゥー
外語:4.3BSD Net/2: Berkeley Networking Release 2
カリフォルニア大学バークレー校(UCB)で、1991(平成3)年に開発されオープンソースのフリーソフトウェアとして公開されたBSDの一つ。
概要
4.3BSDからAT&Tプロプライエタリーなコードを除去したのが4.3BSD Net/1だった。
更にAT&T由来のコードの除去を進め、全体的にAT&T由来のコードを除去する作業を進めたものがNet/2である。
viなどの基本的なアプリケーションからカーネル内部に至るまで、多くの箇所が書き直され、その結果AT&T由来のコードは僅かとなった。これが4.3BSD Net/2として公開された。
特徴
BSDの源流
4.3BSD Net/2から派生したOSは数多い。
PC UNIXの先駆けとなる386BSDや、商用BSDとして開発されていたBSDiのBSD/OSが、4.3BSD Net/2から直接分岐したOSである。
また、386BSDからは、BSDとして有名なFreeBSDやNetBSDが分岐している。このことから、4.3BSD Net/2は現在のBSDの源流であるといえる。
訴訟
4.3BSD Net/2のリリース後の1992(平成4)年、これを基にBSD/OSを開発していたBSDiは、UNIXの著作権を保有していたAT&TのUNIX Systems Laboratories(USL)から提訴(USLは訴訟中にノベルに買収される)された。
訴訟が終わるまでの間はNet/2の公開が禁止されたため、BSD系PC UNIX開発に大きなブレーキが掛かった。その間にシェアを伸ばしたのが、新規に書かれたLinuxカーネルであった。
訴訟の中で、Net/2には僅かながらまだライセンスが必要な部分が残っていたことが判明したが、同時に、ノベルのUNIX System VにもBSD由来のコードがライセンス違反状態で使用されていることが発覚した。
そこで、Net/2からライセンスが必要な部分を削除したものを配布すること、それについては今後二度と訴訟を起こさないことというBSD側に有利な条件で和解が成立した。結果、4.3BSDの後継として、1994(平成6)年6月に4.4BSDが公開された。
その後
4.4BSDは、従来通りAT&Tのライセンスが必要な4.4BSD-Encumberedと、AT&Tのライセンスに抵触しない4.4BSD-Liteとがリリースされた。バークレーでのBSD開発は4.4BSD-Lite Release 2までである。
現在のBSDは、全て4.4BSD-Liteシリーズが基となっている。
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