大容量のフラッシュメモリーをキャッシュとして用意したハードディスクドライブ(HDD)のこと。
マイクロプロセッサーやメモリーは急激な性能向上の途上にある一方、大規模な補助記憶装置であるHDDの速度向上はあまり進まなかった。
記憶容量に関して言えば飛躍的な向上はあったものの、転送速度に関しては1998(平成10)年からの10年間で2.5倍に留まり、平均シークタイムに関しては殆ど向上がない。これらについては、HDDは機械部品という都合から、致し方がないことではあった。
そのため、2007(平成19)年現在の電子計算機において、性能における最大のボトルネックがHDDになってしまった。その速度向上を目指し、HDDの大容量のキャッシュを用意したHDDが登場することとなった。
- 頻繁に読み書きされる領域をフラッシュメモリーにキャッシュし、読み書きはそちらで行なう
- キャッシュメモリーにヒットしている限りディスク部分は動作しない
- その間ディスクは回転しないので消費電力が下がる
- ヘッドも退避しているのでヘッドクラッシュなどの事故(故障)が減ることが期待される
- 静穏化にも有効である
- キャッシュされていない部分の読み書きの速度は落ちる
- 書き込みはキャッシュの容量に収まる量なら特に問題はない
- 書き込み容量が多い場合や読み込みの場合は、ディスクの回転が安定するまで動作待ちになる
- この特徴は、オペレーティングシステム(OS)の起動ドライブのような使い方が適している
- フラッシュメモリーの分だけ値段は高くなる
- OSやコントローラーによる支援がないと速度向上は期待できない
サムスン電子によれば、次の効果があるとされた。
OSレベルで初めてハイブリッドHDDに対応したものはWindows Vistaである。
その機能はWindows ReadyDriveとして用意されている。
2007(平成19)年3月6日、サムスン電子より発表。
なお、サムスン電子はHDD事業とフラッシュメモリー事業を共に展開している。
2007(平成19)年4月16日、NECが発表。
用語の所属
補助記憶装置
ハードディスクドライブ
ディスクドライブ
関連する用語
SSD
SSHD