nGy/h
読み:ナノグレイまいじ
外語:nGy/h

 放射線量の単位の一つで、空気中の放射線量を表示する時に使われる。10億分の1グレイ毎時、の意。
目次

概要
 1グレイ(1Gy)は、放射線が当たった物質1kgが、放射線から1ジュールのエネルギー吸収をした時、その物質が受けた線量をいう。
 つまり
 1Gy=1J/kg
 放射能を帯びた物質は天然にも宇宙中に存在する。土や岩といったものに放射性同位体が含まれることから、放射線は常に放射されている。
 場所にもよるが、日本の場合、概ね50nGy/h程度が全国平均値となり、世界的にも概ね同程度である。原子力発電所周辺ならこの倍程度が一般的である。

特徴

天候等での変化
 降雨時には、通常時の2〜3倍程度に上昇する。
 雪が積もったときには、地面からの放射線が遮断されるため、減少する。
 などによっても放射線量は変化する。


 基本的に石が多いところ(コンクリートも含む)は、石の中に放射性物質を一定量含むため、線量が多くなりがちである。
 大理石なども例外ではなく、ヨーロッパではそのような建物内部の放射線量が多い。日本でも国会議事堂でふんだんに大理石が使われているため、内部は放射線量が多い。だが、国会議員は一部を除いて長命である。身体への悪影響は無いらしい。
 放射線量は、地質と標高などに左右されがちである。

放射線量の高いところ
 世界的にも概ね日本と同様に50nGy/h程度程度である。しかし、場所によって差がある。
 財団法人高度情報科学技術研究機構の原子力百科事典ATOMICAの資料によれば、放射線を放つモナズ石(モナザイト)に富む地質上に位置するインドのケララ地方(150〜1000nGy/h)、ブラジルのガラバリ地方(130〜1200nGy/h)などの値が報告されているとされる。
 日本でも、特に強力な放射線を放っている三朝温泉(鳥取県)や玉川温泉(秋田県)などのラジウム温泉の周辺では、比較的高い放射線量を示すと見込まれる(空気中のベクレル単位であれば、大阪との比較で4〜6倍程度、との調査結果がある)。

シーベルト
 計測器で計測する場合、一般的には、計測された放射線の「物理量」として、グレイを単位として表示する。
 しかし、放射線にも様々な種類があり、同じ1グレイでも放射線の種類によって人体に対する影響が違う。そこで、グレイに、放射線ごとの影響を表わす係数を掛け算したものを「シーベルト」といい、これも使われる。
 原電の外など、通常の場所で被曝するのは一般にX線γ線によるものだが、これらは係数が「1」である。日常的にはグレイ(Gy)=シーベルト(Sv)と言うことが可能で、つまり1nGy/h=nSv/hと言える。

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