Zen 3
読み:ゼン-スリー
外語:Zen 3
AMD
の
x86
プロセッサーである、第4世代
Ryzen
プロセッサーで採用されているCPUアーキテクチャーの名。
目次
概要
特徴
製品
対応ソケット
補足
アーキテクチャーの変更
対Intel
前後
概要
先代
Zen 2
と同じ7nmプロセスルールで、より高速な動作周波数と、より高速な
IPC
を達成した。
Zen3であるRyzen 5000シリーズはベンチマークテストにおいて、その時点でIntel Core i9製品の最高速となるCore i9-10900Kを引き離す性能を発揮しており、マルチスレッドとシングルスレッドの両方でIntel CPUを凌駕し話題となった。それまではシングルスレッド性能はIntelの方が勝っていることがIntel CPUの「売り」になっていたが、これすらもAMDが勝利したことになる。
特徴
製品
Vermeer (GPUなし)
Milan (Epycサーバー用)
対応ソケット
Socket AM4
(Vermeer)
Socket SP3 (Milan)
補足
アーキテクチャーの変更
Zen/Zen+→Zen 2で複数のCPUダイを組み合わせるという大胆な変更があったが、Zen 3ではCPUコア自体のみならず、CPUコアのクラスターである「Core Complex(CCX)」のアーキテクチャーを変更し、キャッシュトポロジーを変えるという大きな変化が加わった。
従来のZenでは、4個のCPUコアで1個のCCXクラスターを構成し、この1クラスターごとにL3キャッシュを共有しつつ、CCX間の
コヒーレンシー
はCCX間をバスで繋いで実施していた。従って処理が1クラスター(4CPUコア)内で収まればよいが、それを超える場合はL3キャッシュのレイテンシーが問題となっていた。そこでZen 3ではL3キャッシュを全CPUコアの共有キャッシュとすることでコア間のレイテンシーを大幅に削減、ゲーム性能などを向上させた。
対Intel
ほぼ同じ価格帯のRyzen 9 5950X(2020(令和2)年11月5日発売)とCore i9-10900K(2020(令和2)年5月発売)を比較した場合、Ryzen 9 5950Xは16コア・32スレッド、Core i9-10900Kは10コア・20スレッドで、この時点で既に決定的に差がついているがそれに比例するようにマルチスレッド性能はRyzen 9 5950Xの圧勝、シングルスレッド性能もRyzen 9 5950Xが20%弱程度高速で、Core i9-10900Kのシングルスレッド性能は前世代である
Zen 2
と同程度であった。
それでいて、ベンチマークテスト中の消費電力がRyzen 9 5950Xが200W少々に対し、Core i9-10900Kは340W弱あり、1.7倍程度Intel CPUは電力を消費しているようである。電力を消費するということはそれだけCPUの発熱量も高くなるため、CPUクーラーも強力な(かつ消費電力が多い)製品を使用する必要がある、ということになる。
ただしゲーミング性能としてみると、ゲームによりパフォーマンスに差がありRyzen 9 5950XとCore i9-10900Kは拮抗しているようである。
後のIntelプロセッサーはZen 3の性能を大きく引き離す可能性があるが、その頃には後継の
Zen 4
のリリースも近いため、Intelが天下を取り返してもどれだけの期間維持できるかは未知数である。
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