RCP (LSI)
読み:アースィーピー
外語:RCP: Reality Co-Processor
任天堂のゲーム専用機NINTENDO64の心臓で、画像処理と音声処理を行なうプロセッサー。
概要
ダイサイズは81mm2、集積トランジスタ数は260万、パッケージは160ピンQFPである。消費電力2.8W。
内部構成は次のようになっている。
- SP(Signal Processor) ‐ ジオメトリ演算を行なう
- 32ビットRISC CPU(MIPS4命令セットのスカラーユニット)
- 16ビット長の固定小数点を8列同時演算する積和演算器(最大500MIPS)
- DP(Display Processor) ‐ レンダリング処理を行なう
- Rambusインターフェイス
- メモリーコントローラー
特徴
カートリッジスロットは、16ビット専用バスによりRCPに接続されている。転送速度は最大20Mバイト/秒。
NINTENDO64という装置はグラフィックス・ワークステーションの機能をそのまま1チップで実装した。そしてこの時は、最大データ転送速度こそ重要だと考えられたため、当時としては最速に近かったRDRAM(RambusDRAM)をメインメモリー採用し、そのための制御回路がこのRCPに搭載されている。
しかし実際にゲームソフトウェアを作ってみると、いくら最大データ転送速度が速くても、最初のアクセス速度が遅くてはリアルタイム性を要求される画面描画に追いつかないことが判明してしまった。というのも、そもそもRDRAMはキャッシュミスヒット時の遅延時間が大きく、ゲームのように細かいデータを多数頻繁にやりとりするような処理には適していなかったからである。このため最高性能は良いが、ソフトウェア制作に膨大な労力を要する機械になってしまったのである。
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